この線、越えるか、消すか。【黒尾鉄朗】 (ページ17)

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１７歩目ページ17

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あれからご飯を食べてお風呂に入って
今は部屋でゴロゴロ。

まだ寝るには早いなぁ…でも暇。
宿題はないし…漫画でも読むか

本棚から数冊取り出して、見始めようとしたとき。

ピロリン。
あれ、誰かから返信来たかな？

タップして画面を開く

クロからだ。

今度からは、ちゃんと送ってく。
つっても、マネ入ったし…お前にあんまり迷惑かけなくてすみそうだけど、一応な。
そういうときがあったらの話だ。
んじゃ、おやすみ

(……)

うん、わかった

それしか、言えなかった。

“お前にあんまり迷惑かけなくてすみそうだけど“

画面に映された文字から、目を離せない

この言葉はたぶんクロの優しさだ
本当に私に申し訳ないと思ってくれてる。
ありがとうって、思ってくれてる。
だからこそ出てきた言葉だろう

でもね、クロ。

迷惑だなんて思ってないよ
ちょっと、ううん…かなり。
楽しかった、し。

もうバレーしてるクロや研磨
見れないのかなー、残念だ

ひとりの空間でつぶやいたその言葉は
誰に聞こえることもなく。

「…っ、」

なんだか、モヤモヤ。

その理由には、気付かないフリしてるのか、本当に気付いてないのか。

誰も知ることはなかった

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