【名探偵コナン】降谷零に寵愛された理由

鬼 ページ19

幼少期から実の兄以上に慕っている人がいた。
ハイスペックな男性だけど、傲慢でもなく物静かな人。


「どうした」

「いえ…」

頭脳明晰容姿鍛練であるこの方。
赤井秀一さんはとにかくハイレベルな人だった。

とは言え、すべて完璧ではない。
赤井さんは極端に人とのコミュニケーションがダメだった。

本人には一切の悪気はないけど、他人のコンプレックスを無意識に刺激し、尚且つ正直と言うか、なんというか遠慮なくズバズバいうものだから劣等感を抱く人間は後を絶たない。

仕返しをしようとした人もいたけど泣き寝入りするのは攻撃を仕掛けた人間で赤井さんは澄ました表情で返すのだから質が悪い。


「お仕事はよろしいのでしょうか？」

「問題ない、有給消化だ」


絶対に嘘だ！！
無理やり休みをもぎ取ったか、あるいは上司を脅したのだと解る。

何故ならこの時期FBIは多忙だと聞いている。
彼等がバカンスを取る時期は決まっているし長期休暇なんてまず取れない。


「でも…」

「有休がたまっていたんだ…まぁ、駆け込み寺を探していたのでグッドタイミングだった」


駆け込み寺と言われ安易に想像がついた。


「また逃げて来たんですか」

「鬼と言うのはしつこいな…逃げても、逃げても追いかけてくる」

遠い目をする赤井さん。
最強のエージェントである人でも苦手な人がいる。

「最近鬼嫁という言葉が流行っているが…鬼は節分だけで充分だな」

そう言いながら何故か豆を握っている。
鬼退治でもする気ですか赤井さん！

しかも相手は貴方のお母さんですよね！


「母は強しですね」

「化け物だ」


ここまでくるとメアリさんが気の毒になって来る。

「療養中の君には刺激が強い話だったな…他の話題にしよう」

「はっ…はぁ」

私というよりも赤井さんが嫌だったのだろうと察した。


なんせ赤井さん。


この世でもっとも苦手とする人物が…


実の母親だったからだ。

穴だらけの名案→←お母様はチート

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