通知五十四件 ページ6
「ねぇ、日曜日空いてる?」
下駄箱で私はまだ涙目になっている優菜に尋ねた。
「ふぇ……?うーん、まだ分かんないかなぁ……?」
男子にも女子にもモテようとしているのが一目で分かる。
その言動、行動、何もかもがウザい。
残念だけど私はアンタの手駒になるつもりはないし、第一にアンタのことが大嫌いだから。
「なんでぇ?」
「……っ」
そういえば理由を考えていなかった。
円らな瞳にうつる私は狼狽えていると直ぐに分かった。
なんて理由を___。
「アンタが観たがってた映画の漫画版がつい最近置かれたの。原作読みたくないの?」
後ろから現れた亜空とその言葉に、優菜は驚いた。
……漫画?
ということは漫画喫茶に行くの?
「読みたい!……待って。漫画喫茶?」
優菜も思わず顔を曇らせた。
無理矢理間がある。否、無理矢理だ。
亜空は自分の言葉に後悔しているだろう、盛大に肩を落としていた。
「…………そ」
「えぇ、読みたいけど今金欠だもん!無理無理!」
「私と亜空が払う」
私は咄嗟に嘘をついた。
ごめん、亜空。今度何か奢る。多分一生奢らないけど。
「…………ならいいよ。部活もないと思うし家の用事ないから」
優菜は笑顔でそう言うと勝手に話を進めていく。
「いつ何処に行けばいい?何処の漫画喫茶?」
なに幹事務めるみたいにはりきってんの。
この"オアソビ"はあんたの化けの皮を剥がすための時間だよ?
「まず私の家に集まって。自転車で。私の家から漫画喫茶向かうから」
「私と優菜はまず美雪の家に行けばいいのね。何時集合?」
「12時30分くらいかな?お昼は済ましてきてね」
「分かった」
亜空は素直に頷いたが優菜は頑なに自転車は嫌だと言い張った。
「お昼済ましてくるとこはいいけど自転車は疲れるからやだ!車じゃダメ?」
亜空の額に青筋が浮かぶ。
もうすぐ教室。あと少しの辛抱という意味を込めて亜空を見ると、亜空は少し落ち着いた。
「__じゃあ優菜は車で来な。直接、漫画喫茶に行ってね。快遊空っていう漫画喫茶ね。」
「わかった!楽しみにしてるね!」
.
.
.
「疲れた」
「それな」
……私、何だかんだいって亜空と親しんでるなぁ。
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ドロシー - おっもしろいです!! (2018年4月23日 16時) (レス) id: bcf78dbe1f (このIDを非表示/違反報告)
春姫(プロフ) - 38@2033さん» ほんっとすみません…(m´・ω・`)mはい!お互い頑張っていきましょう!← (2017年5月6日 20時) (レス) id: 4de0ddfce5 (このIDを非表示/違反報告)
38@2033(プロフ) - 春姫さん» えぇ?!消しちゃうんですか、残念です。事情があっての判断ですね...お互いこれからも頑張りましょうね(=゚ω゚)ノ (2017年5月6日 20時) (レス) id: 4a82a00d53 (このIDを非表示/違反報告)
春姫(プロフ) - 38@2033さん» すみません!やっぱり、あの小説消す事にしました。理由は本編に書いて((ほんっとすみません!参考にさせてもらったりこの小説の名前を貸してもらったのに…やっぱ、私は応援してる方が合ってるって事ですね(苦笑)ほんっと迷惑かけてすみませんでした! (2017年5月6日 20時) (レス) id: 4de0ddfce5 (このIDを非表示/違反報告)
38@2033(プロフ) - 水菜さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年5月6日 17時) (レス) id: 4a82a00d53 (このIDを非表示/違反報告)
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