ただ愛してしまった。-Part.2-【名前変換】 (ページ15)

今日:24 hit、昨日:2 hit、合計:607,305 hit

■Story.65 ページ15

＊

＊

＊

裕翔「ほら、早くいくよ?」

あ「ちょっと待って、あと少しだから。」

・

・

母さんも父さんも仕事などで家にいなくて。

二人とも遅くまで帰ってこないらしい。

・

・

裕翔「そのままでも十分だと思うんだけど。」

・

・

・

Aの部屋を覗くと、鏡の前で

一生懸命メイク中だった。

・

・

あ「できた!あ、お兄ちゃん。」

裕翔「ったく、俺をどれだけ待たせるつもりですか?」

・

・

・

あ「ごめんなさい。でも、

可愛くしたかったんだもん。」

・

・

小さな鞄を肩にかけて、Aは俺の隣に

並びにこっと笑う。

・

・

・

ﾒｲｸのせいか、少し大人っぽいA。

朝からドキドキしてしまった。

・

・

・

裕翔「行きたいところ決めた?」

あ「うん!決めたよ。遊園地に行きたい!」

・

・

裕翔「了解。じゃぁ、電車乗っていこうか。」

・

・

・

さすが休日。

やっぱり出かける人で少し人が多い電車内。

・

・

あ「お兄ちゃん、大丈夫?」

裕翔「大丈夫だよ。」

・

・

座れなかったのでAを壁側にして

隅で二人で電車に揺られる。

・

・

・

裕翔「二人の時は呼び方、

お兄ちゃんやめよっか。」

・

・

あ「えっ?」

裕翔「俺のこと普通に名前で呼んでよ。」

・

・

呼び捨てで呼ばれることに憧れてる。

そんな単純な理由じゃなくて。

・

・

・

せめて二人の時だけは、“兄妹”ということを

考えたくない、忘れたい。

・

・

・

あ「裕翔…………」

裕翔「ﾌﾌ、よくできました。」

＊

＊

＊