_6章_三月ウサギ_ ページ43
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僕はあのベンチに座っている
劣化して何度か取り変えられたけど
ここが1番落ち着くし
____"アリスの存在"を感じていられる
「……本当に 動物が好きなんだね」
残念ながら
いつまでも感傷に浸っているわけには
いかないんだけど
「わっ//」
彼が驚いて立ち上がった拍子に
抱えていた猫は逃げてしまった
「驚かして ごめんね」
「え…あ べ…別に///」
彼はそっぽを向いて顔を赤くしている
「い…いつから…///」
「ほぼ毎日来ているよ」
「え…っ」
「まだ 学園に来て
そんなに経ってないんだよね?」
「どうして…それを…?」
「ここは誰も来ないから
___良くない噂が多いからね」
「良くない…噂?」
「このベンチに座ったものは
____"首を跳ねられる"」
彼は恐怖からか
ベンチから距離をとった
「そんなに怯えなくて大丈夫だよ
"ただの噂"だからね____」
僕は笑いながらそう言った
まぁ ここは"アリスの処刑場"なんだけどね
「それに"生徒"が被害に遭う
そんなことがあったら
この学園の沽券に関わるからね」
たまたま見られてしまったのだと思う
執行時は強い結界が貼られているはずだけど…
「君は…
どうしてこんな所に?」
どこか悲しそうな顔をしている
「____僕には"居場所がない"んだよ」
僕がそういうと彼は自嘲する様な顔を向けて
「僕も____」
と小さくそう言った
否定してやろうと思って座り直した時
カランッ と音を立て杖が転がった
彼は我先に杖を拾って僕に差し出した
「ありがとう」
僕がそういうと彼は微笑んだ
「____君には大切な人がいるんだね」
彼は驚いたのか目を見開いた
「その人も
君と同じくらい
君を必要としているよ____」
彼の頭を撫でた
「彼を心配させたくないなら
あまりここへは来ない方がいい」
「どうい……」
「《帰りなさい
____三月ウサギ》」
彼の言葉を遮り命令をすると
帰っていった
誰かに"情け"をかけるなんて…
「____僕らしくないね」
これも誰かさんの影響かな____
眩しい"太陽"を見上げた
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舞華鳥(マイカチョウ)(プロフ) - あづめ.さん» ありがとうございます!! 今回の作品は1年間練った様なものなので楽しんで頂けると嬉しいです☆ (2019年2月18日 19時) (レス) id: 1fb8c4817e (このIDを非表示/違反報告)
あづめ.(プロフ) - 舞華鳥さんの学園アリス大好きです!今作も楽しく読ませてもらいますヾ(*´ー`*)ノ (2019年2月18日 19時) (レス) id: cefdfa88b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞華鳥(鳴海・LM・はるか) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/dasakusha/
作成日時:2019年2月16日 19時