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「…校長からの指示です」



公爵は冷静に返した




「なっ…」




「彼を…


日向兄妹を校長の希望通り


危険能力系として


学園に迎え 働いてもらうためには


それに反対する他者を納得させる説得材料として


彼のより詳しい能力データが必要なんです」




「そのために校長からストーンを…」




「まさか 妹の方がアレを使ってしまうとは

計算外でしたが…」





「それも 予想範囲内だったはずだ」





「石を使ったのが兄の方ならば


その能力の高さから


暴走したといえど


自ら炎を収拾するだけの力があるだろうと踏んでいたのですが


正直妹の方には


ここまでやれる力があったとは


予想の範囲外でしたよ



思ったより事後処理は大変に…」




パンッ




帽子屋が公爵を叩いた





「…あなたのような


どっちつかずの


所詮


日の当たる場所のぬるま湯程度の闇しか知らない癖に


不幸に酔いたがる



そういうバカな人間が私は一番虫酸が走る…


…そんな手


腐り落としてやったっていいとこですが



許してあげますよ


今回は



これくらいは予想範囲内でしたから」







____火の手は忽ち小さな町に広がり





大惨事となった





山の上に住む火のアリスをもった兄妹の愉快犯





彼等は もう この町に居場所はない____







……いつかの"ボクと似ている"ね





「もう…


起きて 大丈夫?」





「え…」




か細い声でも


この静けさの中では


はっきり聞こえる





「あなたは…


あなたは誰ですか……?」




彼女に近づき


手を握った





「僕…?


僕はね…



君の『お兄さん』の代わりに



君を守るために来た者だよ」






反対の手で彼女の髪を撫でた






「『お兄さん』……?



『お兄さん』て



___誰ですか?」







その問いに



僕は答えてあげられない____








「その人を思い出した時



僕は君の中から消えると約束しよう」







彼女は少し寂しそうに俯き 僕の手を握った




そんな彼女に抱擁を交わした







____ごめんね お嬢さん

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舞華鳥(マイカチョウ)(プロフ) - あづめ.さん» ありがとうございます!! 今回の作品は1年間練った様なものなので楽しんで頂けると嬉しいです☆ (2019年2月18日 19時) (レス) id: 1fb8c4817e (このIDを非表示/違反報告)
あづめ.(プロフ) - 舞華鳥さんの学園アリス大好きです!今作も楽しく読ませてもらいますヾ(*´ー`*)ノ (2019年2月18日 19時) (レス) id: cefdfa88b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞華鳥(鳴海・LM・はるか) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/dasakusha/  
作成日時:2019年2月16日 19時

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