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物凄く人間的な反応をしてくれた
だから 思わず
僕はほくそ笑んだ
「___っ!」
…まだ 彼は驚いている
でも その視線は僕を通り越していた
「噂をすれば……
……帽子屋だね」
足音でわかるなんて…
…白ウサギという"設定"は侮れないね
僕は肩を掴んできた彼を横目で見た
「____彼女に何をした?
白ウサギ」
怒気丸出しだね
勢いよく 胸倉を掴みあげられたせいで
僕を吊るしていた糸が少し切れ
膝立ちになった
裂傷火傷のせいで
身体が脱力しきってしまっており
首の締め付けが増す
喉の奥の違和感を吐き出すように咳をした
「理性的な…顔も…
…かわ…いいね…
くっ…あ…」
絞り出した声で 嫌味をいう
「い゛っ…」
乱暴に胸倉を離されたせいで
地面に頭を打ち付けた
「鳴海…やり過ぎだぞ…」
疑惑を向ける鋭い目が僕を見つめる
「白ウサギ
あんたが本部から用もなく抜け出すとは思えない
それに……
その傷は結界を無理に破った時にできる
もしかして
……裂傷火傷?」
先程とは態度が変わり 冷静になったようだ
「よくわからないけど
一緒に連れてこられたんだよ」
僕は重い体を起こし 服の汚れを払った
「どうして
彼女を庇ったりした……?」
「………別に
僕だって
気まぐれを起こすこと位あるよ」
挑発するような僕の態度が気に入らないようだ
「____白ウサギ」
故意に 振舞っているが 完璧に繕えてはいない
「迷惑で邪魔だから
早くその子をどこかに捨てて来てよ
"誰の目にも届かない場所"に」
___帽子屋は驚いていた
僕も驚いている
____"大切な友達"のために
"女王様の命令"を無視するなんて____
「《早く 立ち去れ 帽子屋》」
それだけでなく
"女王様のための武器"を
正反対のことに使うなんて…
「岬…
とりあえず…
ここを…
は…離れよう」
「な…鳴海…?」
2人が去っていく背中を僕は眺めていた
__バタッ
そして 僕は
この後
数ヶ月 眠り続けた____
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舞華鳥(マイカチョウ)(プロフ) - あづめ.さん» ありがとうございます!! 今回の作品は1年間練った様なものなので楽しんで頂けると嬉しいです☆ (2019年2月18日 19時) (レス) id: 1fb8c4817e (このIDを非表示/違反報告)
あづめ.(プロフ) - 舞華鳥さんの学園アリス大好きです!今作も楽しく読ませてもらいますヾ(*´ー`*)ノ (2019年2月18日 19時) (レス) id: cefdfa88b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞華鳥(鳴海・LM・はるか) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/dasakusha/
作成日時:2019年2月16日 19時