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僕は生徒ではない
従って
女王様に呼ばれていない時は
正直 やることがない
そういう時は
大抵 外を歩いている
人もそんなにいなければ
僕に気づく人はいない
女王様は僕にばっかり
構っていられないようだし
少しの自由は許容範囲だといって
監視の目もない
仮にも女王様は教育者だから
僕に勉学を身につけさせたいのか
また
頭脳までも完璧な兵器としたいのか
…真意はわからないけど
生きた年月に相応な程の教養は身についたと思う
見せびらかす機会もなければ
今となっては錆び付いたものも多いけど
この学園の高等部卒業位は可能だ
その程度は問題ないか…
つまり その
要するに
「____暇」
「って うわぁっ」
アリスは間抜けな声を出して
飲んでいたものを吐いた
「お前…いつから…っゴホッ」
「アリスが来る前からいた」
「え…はぁ?!」
「アリスは気づいてくれなかった」
「そっか…悪い」
アリスはボーッと僕の顔を見ている
「どうしたの? アリス」
「そんなに目立つ格好なのに
誰の記憶にも
お前の姿はないなんて……」
寂しそうな顔を僕に向ける
「ゆっきー 何してんの?」
「黄昏中?」
「変なの〜」
高校生がアリスに声をかけて来たようだ
「誰の目にも"映らない"なんて____」
アリスは悲しそうに空を見上げた
「馬鹿アリス」
僕は小声で言った
別に人の瞳に"映らない"訳じゃない
「ねーねー先生」
「隣にいるの誰?」
「ちょー可愛い〜!」
「お人形さん?」
"映させない"だけ____
「____え?」
アリスはおかしな顔をしている
「あなた名前なんていうの?」
「どうして浴衣きてるの?」
「可愛いからいいじゃない」
「お前らこいつが見えるのか?」
「見えるも何も…」
「どうしたんですか?先生?」
「僕の___」
「「え?」」
彼女達の目が僕を見た
「___《目の前から消えて》」
彼女達はいなくなった
「僕には何もない
何も残してはいけない
僕は"女王様のモノ"であるために」
「"女王様のモノ"でいないといけないのか?」
「____うん
だって
僕は"女王様のモノ"という"役割"しか
___知らない」
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舞華鳥(マイカチョウ)(プロフ) - あづめ.さん» ありがとうございます!! 今回の作品は1年間練った様なものなので楽しんで頂けると嬉しいです☆ (2019年2月18日 19時) (レス) id: 1fb8c4817e (このIDを非表示/違反報告)
あづめ.(プロフ) - 舞華鳥さんの学園アリス大好きです!今作も楽しく読ませてもらいますヾ(*´ー`*)ノ (2019年2月18日 19時) (レス) id: cefdfa88b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞華鳥(鳴海・LM・はるか) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/dasakusha/
作成日時:2019年2月16日 19時