華麗なる奇術師たち 2【怪盗キッド】

95:会ってほしい ページ46

言うまでもない、俺の母さんだ
どうせRUIが同級生だときいて、テンション高かった寺井ちゃんのことだから、交流が増えたこととか、かくかくしかじかと不本意に伝わっていることだろう


(……それにこんな風に冷やかすってことは母さん、RUIが女だってこと知ってるんだろうな

じゃなきゃ、いってこないだろうし
やけに声がウキウキしてるし
こりゃぁなれ初め話も新婚話も倍の量、聞かされるだろーな)

久しぶりに女の子と交流があって嬉しいと言わんばかりに期待されている

…ような気がする


(うひゃー、めんどくせー
Aに何て言えばいいんだ？



家の母さんに会ってほしい

ってなんか言いにくいだろ////



でもなぁ、かといって連れてこないとまた怒るだろーしなぁ)

どうすればいいのか戸惑う
だが、母さんのこういう暴走は今までかつて止められたことがなく…

俺はどうにかせざるを得なかった


「A、あのよぉ…」
なんとなく気が進まくて頭をかきながらぼそぼそと話しかける

「…ん？どしたー？」

「ちょっといいか？
母さんがAに会いたいらしくてよ…」


「え？」


「べ、別に大した訳じゃないんだ


会ってくんねーか？

…母さん、中々こうと決めると聞かねーからさ///…」
(なんでこう恥ずかしい目に合わなきゃなんねーんだよっ)

「…」

「……だめか？」


「え、いやあのさ確か
…母さんって 前聞いてた、例のファントムレディの彼女だよね？」


「あ、ああ…」


「わぁ…
なんかおそれ多いけど
私なんかで良ければ是非(笑」


なんとなくそういうだろうなって分かってたけど、承諾してくれて良かった
Aは相変わらず気優しいからそういってくれるけど、承諾してもらえなかったら、後々さらにめんどくさい


(有難いな、
もし自分の思い通り、俺が行動しないのが続くと、いきなり日本に現れてくるもんな母さん

今こっちにきたら
色々伝えてないことが多くて大変になんの
間違えなしだからな)

「にしても緊張するなぁ
有名人だけどクールなイメージだから、そんな人から私にお声がかかるなんて」

「いや、中身全然クールじゃねーぞ？
それに面と向かってっていってもテレビ電話だけどな」


「ぇ、そうなの？」


「ラスベガス行ってるからさ、母さん
たまにパソコン通してやってるんだよな」

「確かにラスベガスとなれば、こっちに来るのにも大変だもんね」

「まぁ、お陰でたまにテレビ電話に付き合わされるんだけどな」

96:仲の良い親子→←94:メール

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す