検索窓
今日:13 hit、昨日:2 hit、合計:5,672 hit

29話 ページ7

はっきりとは見えない上、余程のことがない限り怖いとか恐ろしいとかいうワードは口にしないそらるさん。そのそらるさんが「怖い」と震えながら言ったのだ。いよいよ事の重大さが身にしみてくる。

「どうにか撃退できればいいんだけど……」

どうにも手立てがない。この中に除霊に関してのエキスパートはいないし、霊媒師もこの前のAの話であまり信用がないので呼ぶ気にはなれない。ましてや、そらるさんが怯えるほどの悪霊などそんな簡単にどうこう出来る話ではない。

『私がいるのでこの部屋には入ってこない筈ですけど……』

全員で頭を抱えながら、たまにネットで調べながら案を出すがどれも弱いものを追い払う程度のものであのとんでもないものには到底効かなさそうだった。塩を盛るとか、中には霧吹きタイプの消臭剤をかける、なんてものまであったが試せるものを片っ端からAに試してみても痛くも痒くもないそう。96猫さん曰くあのレベルのものはAに少しでも痛みを与えるレベルのものでなければいけないらしい。何で彼女がそんなことを知っているのかはさておいてそんな方法はネットにそうやすやすと転がっているものでもない。

「どないしよ……ほんまに俺帰れへん……」

半分涙目になりながら、またさかたんはつぶやく。
その一言で僕達はとんでもない事に気づいてしまった。

「……俺らも帰れないじゃん」

そう。ドアをあければ"それ"とご対面。見えない僕とそもそも出られないAはともかくバッチリ見える96猫さんと見えはしないが感じ取ってしまうそらるさんはあの玄関へ行くことさえままならなくなってしまったのだ。
幸い誰も明日明後日は仕事が無いらしく泊まってもらうことにしたが、早く片付けてしまわないと仕事もままならなくなってしまう。最悪有給を何日か取ってもらう結果になるかもしれない。
買い物は昨日、何日分か買い置きしてあるし、無くなったら僕がAの髪の毛かなにかを持ったまま行けば何とかなるだろう。
ともかく、どうにか玄関にいる"それ"をどうにかしなければならない。さかたんが逃げた時に追いかけてきたということはそうやすやすと放って置くだけでいなくなるなんてことはないだろう。

かくして、全く楽しみもわくわくもしていられない根性試しのようなお泊まり会が開催されることとなった。

────────────────
お気に入り60名様、続編評価5名様ありがとうございます!

30話→←28話


ラッキーアイテム

革ベルト

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
92人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , まふまふ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

がま由(プロフ) - 真夏さん» はじめまして!!誤字のご報告ありがとうございます、確認し次第訂正させていただきます!閲覧、コメントありがとうございました! (2017年9月13日 6時) (レス) id: ceecbc770e (このIDを非表示/違反報告)
真夏(プロフ) - 出来る限りの更新、楽しみにしています!二回にわたるコメント失礼しました。 (2017年9月11日 21時) (レス) id: 14f8e7718b (このIDを非表示/違反報告)
真夏(プロフ) - 初めまして。初編からここまで一気に読ませてもらいました。一つだけ、名前反映がされていないです。。『ゆう』と混ざっています。。作者様自身で読み直して頂けたらと思います。これからの内容楽しみです! (2017年9月11日 21時) (レス) id: 14f8e7718b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:がま由 | 作成日時:2017年8月15日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。