誰より優しい ページ49
「お優しいんですね、終さん」
終「!?」
終さんはまた、ぶんぶんと首を横に振り
あたふたとして見せる。
可愛らしい人だなと赤くなった、横顔を見つめる。
「隊士の皆さんはいつも
命をかけてらっしゃるんですよね。
沖田さんなんて、わたしより歳下だろうに」
終[総悟くんは一番隊隊長]
「沖田さんも!?
皆さん、すごい方たちなんですね。
かぶき町では有名でファンもいると伺いました。
わたしはずっと、吉原にいたもので
存じ上げなくて…」
終[総悟くんと副長は特にたくさんいる]
「へえ…ああ、隊長さんだと目立つからですかね?
じゃあ、終さんも多いんじゃないですか?」
終[…俺はあまり表立って出ない]
「出たらすぐ人気出ちゃいそうですね。
真選組に、こんなに優しい方がいるなんて知ったら
かぶき町の女の子は大騒ぎですよ」
終「!?…」
褒められることに慣れてないのか、
終さんは何も書かず、俯いて耳まで染めている。
「わたしも…たくさん優しい方に
守っていただいて、ここに居させてもらってます」
終「…」
またノートにペンを走らせる、終さん。
差し出す、それには
今一番求めていた名前が書かれていた。
終[平太くんは大丈夫だよ]
「…!終さん、平太のことご存知なんですか!?
ずっとその、聞きたくてでも
誰に聞いたらいいのか…」
終[大丈夫。副長がやってくれてるから]
「…ひ、土方さん、が?」
土方さんはわたしの面倒も見て、
平太のことまで…?
わたしの顔を見て、慮ってくれたのか
終さんはもう一度、手を動かす。
終[副長は、誰より優しい]
「…!」
眼を合わせることも躊躇っていた終さんは、
口元に優しい笑みを浮かべて
真っ直ぐにわたしを見て、伝えてくれた。
わたしはその言葉に、
その微笑みに、
全身で安堵する。
「…その通りですね」
終[不器用なところもあるけど]
「ふふ、それもその通りですね」
終[明日、聞いてみるといい]
「…そうします!」
終[…お茶、ご馳走さま]
「ああ、いえ!すみません。
眠らなきゃいけないのに付き合わせて」
終[は、話せてよかった…から]
「わたしもです!仲良くしてもらえて嬉しいです!」
終[!?お、おやすみなさい…。
ちゃんと寝るんだよ]
「ええ。終さんも。おやすみさい」
終さんはぺこっと頭を下げて、
自室に戻って行った。
どうやら、真選組は噂に聞いていたより
優しい人が多いみたいだ。
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にじゅまるる(プロフ) - 美雨さん» いえいえ!!こちらこそ修正してくださってありがとうございました!!(°▽°) (2019年5月1日 9時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - にじゅまるるさん» あわわわ…!何故に三番隊!笑 完全に間違えていました!ご指摘、わざわざ、ありがとうございます!!修正させていただきました! (2019年5月1日 0時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
にじゅまるる(プロフ) - こんにちわ^^!!少し聞きたいことがあるんですが、三番隊隊長は総悟じゃなくて終兄さんじゃないんですか?もし私の間違いであればごめんなさい…けれど気になったので… (2019年4月30日 15時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 夏終朝凪さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますっっ!!これからもう少し銀魂世界寄りになっていく予定なので、引き続き楽しみにしてもらえたらと思います!コメントありがとうございます涙 (2019年4月16日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きが気になります!とても読みやすいですね!更新楽しみにしてます!(*´▽`*) (2019年4月16日 21時) (レス) id: 06ec7af5b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨 | 作成日時:2019年3月29日 0時