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難儀 : 土方 ページ41

土「ここが真選組屯所。
今日から、お前の家で勤め先だ」


「…はい」



準備を整え、俺を待っていたA。
病院を出て、漸く辿り着いた。
この時間には広間に集まるよう、伝えてあるが
用心して裏から入るか。



土「一度、この荷物をお前の部屋に運ぶ。
紹介はその後だ。
女中の勝手口はこっちだ」


「あ、はい!荷物、すみません。
持っていただいて」


土「構わねえよ。
ここがお前の部屋だ」


「わ、意外と広いんですね。
それに…1人部屋ですか?」


土「ああ、他の女中は家族持ちでな。
ここを住まいにするのは
Aが初めてだ」


「そうなんですか…」



俺たちが使う部屋からは
遠ざけて作られている女中部屋。
食堂の裏手にあるから、
簡単に行き来はできるものの
今まで誰一人として使って来なかった。
当たり前だ。真選組は女人禁制。
敢えて、おばちゃん女中しか
雇って来なかったんだからな。



土「少し、話がある…。
中、いいか」



はいと返事をするAに荷物を渡す。
扉を閉めようと戸に指をかけて、やめた。



土「知っての通り、真選組は男所帯だ。
お前がいた世界とは真逆の」


「ええ」


土「真選組には法度が存在する。
局中法度を犯した者は
問答無用で切腹。…ただ、
男って言うのはどこでもアホばかりだ。
真逆のお前がいた世界の
男共となんら、変わらねえ。
だからな…、その、
ずっと言いたかったんだが、、」


「?何ですか?」



俺は合わせていた眼を逸らし、
真っ直ぐに指を指す。



「え?」


土「そのっ!…む、むな、
胸元…どうにかしろっ!」


「胸元?」



Aはぱっくり開かれた、
着物の胸元に眼を落とす。
白い肌に膨らみが覗き、
病院でも通りでもすれ違う野郎、
全員に見られてたことに気付いてねぇのか!



土「勤め先とは言え、ここは吉原じゃねえ!
着物を肩まで落とす必要はねぇんだよ!」


「あっ!す、すみません…!
着物、ちゃんと着ることが
滅多になかったもので…」



Aは慌てて、胸元を隠す。
ただ、その眼の動きや溜息や
何から何まで、男の反応を
心得ているかのように
いや、実際心得てるんだろうが
いちいち、艶っぽくて。



土「アホ共に紹介するが
その気怠さとか、し、仕草とかだな
お前も気をつけねぇと
何人か切腹せにゃならんくなる。
とにかく、着物はちゃんと着ろ。いいな」


「…は、はぁ」



無意識に男を反応させるよう
生きてきた、Aには
難儀なんだろうがよ。

特別対策 : 土方→←眼の保養 : 沖田



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にじゅまるる(プロフ) - 美雨さん» いえいえ!!こちらこそ修正してくださってありがとうございました!!(°▽°) (2019年5月1日 9時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - にじゅまるるさん» あわわわ…!何故に三番隊!笑 完全に間違えていました!ご指摘、わざわざ、ありがとうございます!!修正させていただきました! (2019年5月1日 0時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
にじゅまるる(プロフ) - こんにちわ^^!!少し聞きたいことがあるんですが、三番隊隊長は総悟じゃなくて終兄さんじゃないんですか?もし私の間違いであればごめんなさい…けれど気になったので… (2019年4月30日 15時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 夏終朝凪さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますっっ!!これからもう少し銀魂世界寄りになっていく予定なので、引き続き楽しみにしてもらえたらと思います!コメントありがとうございます涙 (2019年4月16日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きが気になります!とても読みやすいですね!更新楽しみにしてます!(*´▽`*) (2019年4月16日 21時) (レス) id: 06ec7af5b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年3月29日 0時

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