途端に騒つく : 土方 ページ35
土「Aは犯罪を犯したのか」
「…え？」
土「犯罪を犯したのは四辻だ。
Aは被害者で、何も悪くねぇ。
平太のことにしても
Aが自分だけ完治することを
気に病む必要もなければ、
平太も誰もそんな風に考えてねぇ。
お前は謝ることなど、何もねぇだろ」
「………土方さん…」
土「謝らなければならないとしたら、
警察の俺たちだ。
平太が動いてくれなきゃ、
Aを救う事もできなかった。
もう少し早く真相を掴んでいれば、
もう少し早く保護できていれば、
こんなことにはならなかったんだ。
…申し訳ねぇ」
「っや、やめてください！
あの夜、四辻さまは初めて
事件のことを口にしたのです。
何十年と誰にも話さず、
誰にも気づかれなかったことを
容易に掴める筈はありません！
わたしは、救出していただいた上に
院内で未だ保護下にあります。
それで、ほんとに、充分です」
頭を下げる、俺に
早口に捲し立てるA。
必死な声は少し震えている。
「…それに、ありがとうございます。
わたしの…心情を読み取って
言葉を選んでくださって」
一息置いて、柔らかくなった声に
俺は顔を上げる。
Aは真っ直ぐに俺を見つめながら
風に揺れる花のように、微笑んでいた。
その眼に触れると、
俺の中が途端に騒つく。
土「……じ、事実を、言ったまでだ」
「……はい」
柔らかい声のまま、
返事をするAから
慌てて、眼を逸らす。
不思議と全部、見透かされているように感じる。
「……さっき」
土「？」
「退院、と言葉にした時」
土「！……」
「気にして下さっているのですね、
退院後のわたしの行く末を」
さすが、と言うのか。
顔に出したつもりはねえ。
眼の動きで気付いたのか。
「やっぱり…。となれば、
四辻家には戻れそうにないと言うことですね」
土「……ああ。以前より、
キツいことに成り兼ねねえ」
「予測はしていました。
困りましたね…」
土「……吉、」
「知ってますか？
出戻り遊女は売れないんですよ。
持つ店は赤字になってしまう…」
土「……別の仕事に就くつもりか」
「それしかありませんが、
遊女上がりではどこも雇ってくれません。
うんと離れた田舎に行くしかないですかね」
土「……禿からしてるお前には
遊女の全てが備わってる。
意識せずとも、いずれバレて
犯罪に巻き込まれ兼ねねえ。
実際、類の凄惨な事件は多い」
「………はは、困りましたね」
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にじゅまるる(プロフ) - 美雨さん» いえいえ!!こちらこそ修正してくださってありがとうございました!!(°▽°) (2019年5月1日 9時) (
レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - にじゅまるるさん» あわわわ…！何故に三番隊！笑 完全に間違えていました！ご指摘、わざわざ、ありがとうございます！！修正させていただきました！ (2019年5月1日 0時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
にじゅまるる(プロフ) - こんにちわ^^!!少し聞きたいことがあるんですが、三番隊隊長は総悟じゃなくて終兄さんじゃないんですか？もし私の間違いであればごめんなさい…けれど気になったので… (2019年4月30日 15時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 夏終朝凪さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますっっ！！これからもう少し銀魂世界寄りになっていく予定なので、引き続き楽しみにしてもらえたらと思います！コメントありがとうございます涙 (2019年4月16日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きが気になります！とても読みやすいですね！更新楽しみにしてます！(*´▽｀*) (2019年4月16日 21時) (レス) id: 06ec7af5b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美雨 | 作成日時：2019年3月29日 0時
