崇拝 ページ24
四「それなのに、お前は逃げた」
「逃げてなどいません！
必ず、戻るつもりでいましたし
勝手なことをしたことも
重々、承知しています。
二度とあのようなことは、」
四「ああ、二度とできないよ。
この部屋を出ることも
幕府の犬に連絡を取ることも、
銀髪の男に逢いに行くこともな」
「…わたしはあなたの妻です！
他の人とは何も、」
四「私はね、お前が奴らのことを
考えるその思考までも
吐気がする程、嫌なんだよ。
ここにいる下人も部下も、私を崇拝している。
Aも、そうじゃなきゃいけない。
何故なら、そうだよ。お前は私の妻だ」
「……」
四「一番、飼い馴らす必要がないと思ってた男が
まさか、裏切るとは思いもしなかったがな」
「……平太に、何を…」
四辻さまは、ん？とにやけながら、
その足首を私に見せ付けた。
右足の腱の部分に酷い傷痕があった。
縫われた痕にも見得る。
四「私も逃げ出そうとしてね、
そうしたら父に腱を切られたよ。
成人してから学んだ術で
自身で手術をし、問題なく
歩けるようにはなったがね。
それでも早くは走れない」
「………っ！まさか！」
四「安心しろ。
お前がここに居させすれば、
いずれ、平太の足も手術してやる」
「…なんてこと、を」
悪怯れもせず、言ってのける彼に
わたしは眼を見開いて拒絶する。
がしゃんっ…と鎖が音を立てると、
その口はまた歪む。
四「平太の様子を
下人に伺わせておいて正解だった。
悪いことをすれば罰が下る。
当たり前のことだ、そうだろう？
Aさえ、大人しくしていれば
平太の足も元に戻る。それだけのことだ」
「自分がされて、苦しんだことをするなんて…。
親を今でも恨んでいるのでしょう？
あなたも同じように恨まれるだけだわ」
四「あいつらは
忠誠心を育てるのが下手だった。
村の奴らは漏れることなく、
あいつらを信教していたが
実の息子は手懐けられなかった。
詰めが甘いんだよ、バカな奴らさ。
だから、噛み付かれたんだ」
四辻さまはまた、さも可笑しそうに
くくく、と笑って見せる。
わたしはその笑みにぞくり、と
背筋を凍らせる。
「…噛み付いたって、反抗したんですか」
四「ははは！反抗か。
それは可愛い発想だなぁ。
だがね、私の心は奴らのせいで荒んでいたんだよ。
そんな可愛い発想は出てこなかったな」
「…じゃあ、何を……」
四「山火事に見せかけて、
村ごと全部、焼却してやった。
叫びながら見事に燃えていたよ」
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にじゅまるる(プロフ) - 美雨さん» いえいえ!!こちらこそ修正してくださってありがとうございました!!(°▽°) (2019年5月1日 9時) (
レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - にじゅまるるさん» あわわわ…！何故に三番隊！笑 完全に間違えていました！ご指摘、わざわざ、ありがとうございます！！修正させていただきました！ (2019年5月1日 0時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
にじゅまるる(プロフ) - こんにちわ^^!!少し聞きたいことがあるんですが、三番隊隊長は総悟じゃなくて終兄さんじゃないんですか？もし私の間違いであればごめんなさい…けれど気になったので… (2019年4月30日 15時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 夏終朝凪さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますっっ！！これからもう少し銀魂世界寄りになっていく予定なので、引き続き楽しみにしてもらえたらと思います！コメントありがとうございます涙 (2019年4月16日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きが気になります！とても読みやすいですね！更新楽しみにしてます！(*´▽｀*) (2019年4月16日 21時) (レス) id: 06ec7af5b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美雨 | 作成日時：2019年3月29日 0時
