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エマちゃんと私の方が随分とお店に早くついて
さっきから数分おきに「大丈夫?エマ可愛い?」と
聞いてくる彼女は同性ながらとても可愛らしくみえる
「大丈夫、かわいいよ」
とエマちゃんに言おうと横をむくと、エマちゃんの視線は私ではなく、私の頭上の方にあって
それに気付くと同時に聞き覚えのある龍宮寺さんの声と
「ごめんね〜、待たせた?」
と、私の胸を大きく高鳴らせる、懐かしいあの声
そして視界にゆっくりと入り込んでくる、
髪型、髪色が変わろうと何も変わらない彼の笑顔
「えっ、、、あ、、三ツ谷、、くん、?」
「やっぱり、Aかなって思ってたよ」
とふんわりと三ツ谷くんは笑った
「入口から席見た時、やけに見覚えある後ろ姿でさ、雰囲気もAに似てるなーって」
とても久々に聞く、彼の口から呼ばれる自分の名前
それだけで何か、胸が満たされるような、そんな気持ちに包まれていた
「え!?2人知り合いなの!!?」
心底びっくりしたように大きい目を、さらに大きく見開いたエマちゃんと
「世間って狭いんだな、」
とあまり驚いてない龍宮寺さん
"元彼で、、?"
"高校のときの同級生で?"
私たちの関係をなんて説明すればいいのか、そもそも三ツ矢くんは私のことを何というのか、
なんというべきか戸惑う気持ちと、彼が私のことをなんと言うのか知りたい気持ちで、口ごもっていると
「高校の時仲良かった子」
と、"彼女"でも"友達"でもない酷く曖昧な言い方をする彼にあわせて、そうそうと一応うなずいておきながら
その彼の返答に、また気持ちにもやがかかっていた。
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作者名:Anju | 作成日時:2022年8月13日 17時