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三ツ谷くんがブランドを立ち上げていたこと
業界では有名になるほど成長していたこと
彼女がいたこと
私の知らない三ツ谷くんで溢れていた
今カノさんは、三ツ谷くんが必要って言っていたけれど。
三ツ谷くんが、今カノさんを必要としているのかもしれない。
ブランドの経営において、今の三ツ谷くんにとって、今カノさんは必要不可欠なのは間違いない。『今カノさんが必要』例え、それが恋愛的な意味だけでなくても。
その代わりが私につとまるのかと言えば、無理な話で
私がいたはずのその場所はいつの間にか取って代わることの出来ない場所になっていた
元彼と友達になってはいけないって記事をどこかで見たような気がしてふと思い出す。あの時は何も思わなかったけど、書いてあったことは正しいと今になってわかる。
「……おれも、Aが好きだよ」
手を引かなければならない関係に、都合のいい言葉を並べて手を離しきれずにいた、未熟だった自分
「あの時、三ツ谷くんに別れたんだよねった言われた時。私誤魔化しちゃったけど、」
認めてしまうのが苦しかった。
だけど、今なら。
「…うん、別れたよ、私たち」
三ツ谷くんの眉が、少しだけ下がる、
「今まで、本当にありがとう」
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作者名:Anju | 作成日時:2022年8月13日 17時