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そのユーザーネームに触れようか、触れまいか
迷いに迷って、何故か高鳴る鼓動に大きく深呼吸したあと


"トンッ"


画面に軽く触れると、どことなく三ツ谷くんらしいアカウントに何故か笑みがこぼれる


「すっごいフォロワーの数、、」


三ツ谷くんからのフォローなんてとっくに外れていたみたいで、

フォロワーとフォロー中の比が1:10のその少ないフォロー中の中に1人だけ、女性らしき人のアカウントを見つけた








恐る恐る、そのアカウントを開くと


投稿の2番目にあった、とても懐かしく見覚えのある後ろ姿を見つけて、

段々と"それ"を理解して締め付けられる様に苦しくなる胸






顔は映っていなかったけど、
間違いなくそれは三ツ谷くんだった


















ショックを受けるとは思っていなかった、痛む胸に驚きが隠せなかった。




心が凍りつくような感覚と、少し浅くなる呼吸
そんな息苦しさを感じながらもなお、他に三ツ谷くんが映っている写真は無いのか、ストーリーはないか、と





夢中になっていた自分に、気付いて、身体中の酸素を全て吐き切るかのようなため息をついてそのままベットに寝転んだ





まだ自分の中で三ツ谷くんへの諦めはついていなかったのかそもそも私は三ツ谷くんがそんなに好きだったのか、と


しかも知らずのうちに涙が出るほどに、





何をしているのだろうかと、頻繁に思い出すことはあってもそれが恋愛感情からくるものだとは思わなかった



なぜこんなにも涙が出て、なぜこんなにも苦しいのか
何度問うても、何とか違う答えを出そうとしても


辿り着くのは好きだから、それだけだった





気付かないように遠ざけていた気持ちに一度気づいてしまえば、もうそれは溢れ出て止められずにいる





ああ、好きなんだと
私はこんなにもまだ彼を想っていたのだと思い知ってしまった



.

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作者名:Anju | 作成日時:2022年8月13日 17時

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