幽霊コンビ 〜ミナとハル〜

あの日のこと6 ページ10

段々と、全身が痛み出す。
痛いなんて言うのも辛いぐらい、体験したことの無い痛み。
(あ〜あ、もっと楽に死にたかった。)

目の前が赤く染まる。
僕を取り囲む人々、ツリー、黒い空に瞬く星さえも、赤い紅いあかい。
世界が赤い。
最後に見る景色。
何なら、赤じゃ無くて黄色とかもっと明るい色が良かった。
でも、まぁいっか。
これもこれで、すごく、

「綺麗だ。」

あぁあ、この色、君にも見て欲しかったな。
結局、出会えなかった君・・・

あれ？
君は誰だっけ？
君の名前、、顔、、、どうしよう。
思い出せないよ。

今日のこと許すよ、だから、お願い、
君の名前を顔を、教えて、、、、。


お願い


嘘。
最後なのに、もう死んじゃうのに、最後に抱く感情が、 嘆き なんてー、

嫌だ嫌だ、イヤだ、
死にたくない、もっともっと生きたいー‼

意識が徐々に遠のく。

GAME OVER(ゲームオーバー)

いつかプレイしたゲームに負けた時の画面。
画面に大きく描かれたあの文字が、フラッシュバックする。

もう、ダメだ。

僕は、ゆっくりと、目を閉じる。
唇を微かに動かしながら、口パクで言う

「さ、よ、な、ら。」

僕の人生は、わずか16年と少し、そんな若さで幕を閉じた。

さよなら、この声が誰かに届いただろうかー。

人間が言う あの世 です。→←あの日のこと5

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す