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「なにかあった?」


電話切った私に悟が尋ねてきた



「…悟、落ち着いて聞いて…お姉ちゃんが大怪我したみたいなの」


私の言葉を聞いた悟はガタンと大きな音を立てて席を立つ
今にも駆け出して行きそうな悟の手を掴み慌てて引き留める


「待って!確かに大怪我はしたけど、今は硝子さんの治療を受けて回復してるから今は全く心配いらないらしいの!…だからっ」

「そんなもん分からないだろ!!」


突然の大声に身体がびくりと強張る

周りのお客さんも驚きと好奇の混じった目線でこちらを見ていた


「…お姉ちゃんには旦那さんもいるから大丈夫だよ」

「高専は関係者以外立入禁止だ。直ぐには迎えないだろ…ひとりかもしれない」

「硝子さんがいる!悟がいかなくて…」

「俺が心配なんだよ!!」


苦しさを孕んで言う悟に二の句が継げなくなる

…でも





「…いかないで」




それでも




「お姉ちゃんの所にいかないで…悟、…傍にいて」




そう言うと一瞬悟は驚き動きを止めた

しかし




「…わるい」




悟の手を掴んでいた私の手は振り払われそのまま悟は振り返ることなく掛けて行った



ああ、神様ってなんて意地悪


何で明日じゃなかったんだろう
何で今日だったんだろう



きっと自分のことばかりで夢を見てたから…バチが当たったのね

行き場をなくした手をゆっくりと下ろした





「…バカね」






まるでシャボン玉ように


確かに幸せだと感じたのに
大切な思いまで弾けて消えていく







耳の奥で『ほら見たことか』と

誰がの嘲笑う声だけが響いた














「…アンタ…何で来たの」


俺の姿を目に留めた硝子の顔が驚きに染めながら言う


「瑞季は?」

「そのカーテンの向こう…っじゃなくて!」


硝子に構わずカーテンを開けると横たわる瑞季の姿があった
殆んど反転術式で直っているようで目立った傷はなく一見するとただ眠っているようで胸を撫で下ろす

花子の癖のない黒髪とは反対の甘栗の癖っ毛が白いシーツの上に散らばっていた


「寝てるだけだよ…疲労で。それよりアンタ今日花子の誕生日じゃなかったの?休みもぎ取ってたじゃない」

「……」

「……まさか抜け出してきたの?」



無言で瑞季を見詰める俺を肯定と取ったのか、硝子は小さく溜め息を吐いた



そのまま瑞季が目覚める間の一時間程椅子に座っていたが、硝子が何かを言うことはなかった

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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます!!是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます! (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります!パスワードを教えて頂きたいです! (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました! パスワードを教えていただけないでしょうか? (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月26日 0時

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