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ページ42

「でも楽しい…、かな」

「そっか、それは良かったよ。明日は休み?」

「ううん、仕事だよ。…それに明日は空き時間に新メニューについて話すことになってるの」


雰囲気で楽しみにしていることが伝わってくる

つられた僕も自然に笑顔が浮かんだ


「メニュー開発?」

「開発って大層なものじゃないけど…そうだね、試作かな」


喫茶店は元々マスターとその子供が細々と営んでいたが、最近マスターが体調を崩すことが多くなりバイトを募集したらしい

実質は花子の二つ上のその子供が営んでいる状況だ


年が近いこともあり気が合うらしい

この間は偵察の名目で近隣の喫茶店に二人で出向いていた

社会経験のない花子の交友関係が広がるのは良いことだと思うが、今まで花子の世界の中心は自分だった自覚があったから少し寂しいと感じてしまう



なんだこれ

すっげーモヤモヤする…


自身の胸の内を静める様に、柔らかく煮詰められあまり噛む必要のないビーフシチューを咀嚼する



ナイスガイな僕は嫉妬なんかしない、しない、しないと内心で呪文の如く唱える

しかも同姓のダチに嫉妬とか笑えない
こんなに心狭かったっけ


瑞季の時はどうだった

……あれ?




してなくね?




たった今気付いた真実に首を傾げる

すると目の前に座っている花子もキョトンとして同じ様に首を傾げていた

…かわ……っ




「…………食いてー」

「おかわりいる?」

「……いる」



スプーンを持ったまま項垂れる僕に尋ねる花子

返事を聞くと慣れた手つきでお代わりをよそって戻ってきたので再び手を進めた


好きな女と同じ空間にいるのに手出しできないって……地獄




「悟はどう…?何も変わったことない?」

「んー、まあ特に…あ。瑞季のことなんだけど怪我の一件を切っ掛けに術師辞めるらしいよ」

「…そっか、じゃあこれで怪我なんかの心配が減るね。良かったね、悟」

「うん…………うん?」



あり?と顔を上げると丁度食べ終わったのか花子は手を合わせ食器をシンクに持っていくために立ち上がった所だった


……しくじった


いくら理性と本能の狭間で右往左往していたからといって何で瑞季の話題だしたかな自分

これ端から聞いたら確実に瑞季のことが心配でしょうがなかったから術師辞めてくれて安心!的な反応じゃね?



「でもそうしたらこれから会える機会減っちゃうね」



………勘弁して

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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます!!是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます! (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります!パスワードを教えて頂きたいです! (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました! パスワードを教えていただけないでしょうか? (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月26日 0時

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