最終話 ページ37
「…お願いだから…もう一度俺のこと好きになって」
懇願するような言葉の後、今度は正面から抱きすくめられ身動きが取れなくなる
…もう一度
私は誰かを好きになることができるのだろうか
悟のことを好きになれるのだろうか
ぐっと目を閉じ悟の胸に顔を埋める
こうして触れ合うことが夢だったのに、今はもう何も感じない
私じゃない誰かに焦がれる人
「…分からないの…」
「花子？」
「誰かに想われてるなんて…どうしたら信じられるの？全部諦めたの…なのにどうやったらまた信じられるの…？」
分からない
なのに
「…どうしてこんなことするの？今更…っ」
ぐっと私の背中に回る腕に力が籠る
その手は力強くて、でもとても優しかった
「…分かってる…でもごめん。本当に好きだよ…花子にこの気持ちが本当だって信じて貰えるように、今度は俺が努力するから」
だから、時間が欲しい
続けられた言葉に、私にも時間が必要なのかもしれないと漠然と思った
あまりにも目まぐるしく変化する状況に全くついていけてない
時間を置けば自分の中で答えがでるだろうか
それは悟にとってどういったものになるだろう
私にとってどういったものになるだろう
今も変わらない
私はやっぱり死を…望んでいる
生きたいと
生きていて良かったと
そう
思える日は、未来はあるのだろうか
そこまで考えて自嘲気味な笑みが溢れた
なんて他力本願な考えだろうか
やっぱり嫌い
こんな自分が大嫌い
でも、
「好きだよ…花子。傍にいて」
もう少し生きていたら答えは出るだろうか
心満たされる日が訪れるのだろうか
見付けることができるのだろうか
「…ウソばっかり…、ウソばっかり！」
「愛してる…」
ふわりと啄むような口付けに
ゆっくりと心が溶け始めるのが分かった
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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます！！是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (
レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます！！続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります！パスワードを教えて頂きたいです！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました！ パスワードを教えていただけないでしょうか？ (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年2月26日 0時
