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ぐいぐいと玄関に向かって僕の身体を押し出す花子
しかし非力な彼女が僕を追い出せるわけがなく


「話し聞いてってば」

「貴方なんて嫌いっ、大嫌い!もういらな…っ」


もう何も耳に入ってない花子をホールドするように胸に抱くが、それでも抵抗を止めない花子

こんな雰囲気で伝えるつもりじゃなかったのにな、と内心毒吐く


「落ち着け」

「はな、し!」




「好きだ」




ぴたり、といった効果音がつきそうな程突然全ての動きを停止させる花子

きっちり5秒

…そして





バッチーンッ!!!



「ンぐっ!」


「知ってます!!!」


無下限を解いていた僕の頬に花子のビンタがクリーンヒットした


なんで?!


流石の僕もあまりに予想外の展開に叩かれた頬を押さえて呆然とし、花子はすかさず腕の中から逃げ出した

暴れたため肩で息をしている花子がキッと僕を睨み付ける…とは言え明から様に表情が変わっているわけではないが



「今更です、早く出て行ってっ」


マズいマズい確実に勘違いされている


「いっそ想いを告げられてみては?いちいち私を通す必要はありません!」

「花子花子花子!」

「名 前 を 呼 ば な い で 下 さ い」


憎々しく低い声で名前呼びを拒否する花子はやはり疑う余地なく勘違いをかましていた

いや、今までのことから考えると当然だか、微塵も自分を指してのことだと思っていない様はいっそ清々しい


花子に怒りの感情を向けられるのは初めてで情けないことにどうすればいいのか分からなかった

こんな状況じゃなきゃ素直に「怒りの感情が出るようになったんだ」と喜べるが何せ状況が状況
そんな余裕は全くない

…まあ、花子が怒りの感情を見せるのは切羽詰まった状況以外想像できないが



「……いいです。私が出ていきますので、鍵はポストにでも入れておいて下さい」


ふ、と怒りが消え失せたのか
慣れない感情に疲れた表情をした花子はくるりと踵を返し玄関に向かおうと歩を進める


それは別れを告げられたあの日と同じで、無意識に後ろから花子の身体を抱え込んだ


驚いた様子もなく間を置いた花子は「はぁ…」と溜め息を溢し続ける



「……一体どうしたんですか。姉になにかありましたか?」


自身が関係しているとは全く思わないのが花子らしいな、と思った

望んではいてくれただろうが、いざ自分が想われているなんて想像もできないんだろう





「花子のことが好きだ」




どうしたら伝わるだろうか

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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます!!是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます! (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります!パスワードを教えて頂きたいです! (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました! パスワードを教えていただけないでしょうか? (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月26日 0時

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