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昔から姉が眩しかった


私は離れにいたので殆んど話したことはないが、遠目から見る姉はいつもキラキラしていた


くるくるとよく変わる愛くるしい笑顔

鈴の鳴くような可愛らしい声


後ろには母と父が控え、姉が遊ぶ様子を愛おしそうに眺めていて、まるでひとつの絵画の様で嬉しさに胸が震えた



自分が何故離れに暮らしているのか知らなかった私は、あそこに行けば自分もあの暖かい場所に居られて貰えると思った

あの暖かい瞳を向けて貰えると思った

あの暖かい手を繋いで貰えると思った



だって知ってる

私はあの人達と“家族”なんだって






『お母さん…っ、お父さん!……お姉ちゃんっ』



一生懸命作った笑顔は慣れないからか頬が引きつった




草むらから飛び出た私を見た姉はきょとんとして持っていたボールを落とし『誰?』と返した

母はそんな姉を心配そうに引寄せ引き寄せ言った



『誰か摘まみ出して』



その声と表情は姉に向けるものとは全く違い冷たく暗いものだった

後ろに控える父も同じ表情をしている





それが6歳の時









二度目に姉と話したのは12歳の時


離れの庭で空を眺めていると姉の方からやって来た


『あなた、私の妹なんだよね?』


変わらずきらきらした笑顔で、私に聞く

離れには内緒で来たと言って、家での様子をたくさん話してくれた


姉の話す内容はとても新鮮で、とても綺麗で暖かかった



…羨ましかった





そんなに帰りたいって思える場所があるなんて


暖かい家

暖かい人



身を焦がす程に欲した



だから聞いた

『お姉ちゃんは自分が好き?』と



するとやはり美しい笑顔で姉は言った





『お母さんとお父さんが私のこと愛してるよって、大好きって抱き締めてくれるの!誕生日には生まれてきてくれてありがとうって一緒にケーキを食べるの!…だから私はお母さんとお父さんから生まれてこれた自分が大好きだよ』





姉の言うことはよく分からなかった


誰かに好きに言われると自分も好きになれるのだろうか



ならばやはりその意味が分からない私は何者にもなれないらしい


また明日もお話ししようね、と言っていたが次の日外に出てみると『もうお話しできないの。ごめんね』と手紙が置いてあった


理由は定かではないが、恐らく私と話していたのが両親に伝わったんだろうなと思った

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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます!!是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます! (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります!パスワードを教えて頂きたいです! (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました! パスワードを教えていただけないでしょうか? (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月26日 0時

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