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チラリと花子を見る
その表情はとても落ち着いたものだった
そもそも花子が表情を崩すのなんて悟の前位なものだ
偶然街中であった時、悟の隣で控え目に笑う花子を見た時は大層驚いたことを昨日のように思い出す
…だから始まりはどうであれ、これはこれでいいだろう
そう思っていたのだが
「…悟と離婚をするんだって？」
「いえ、したんです」
向かいの席に腰掛けながら淡々と言う花子
「瑞季さん…のことだよね？ごめん、私が電話しちゃったもんだから」
「違いますよ、硝子さんに非はありません。…ただちょうど時期だっただけです」
「…時期？」
花子の言う意味が分からず訝し気に眉を寄せる
「元より、このおままごとを長く続ける気はありませんでした」
「おままごとって…」
「彼が姉のことを想っているのはずっと知っていました。…自分が愛されているなんて勘違いすることもありましたが、やはり根本は揺らぎません」
「……」
知っていた？
…ずっととはいつからだ
どう返したら良いか分からず言葉を発せられずにいた
「先日その姉も無事結婚しましたので、もう彼が無理をしてまで私との関係を続けていく必要はありません。だけど…恐らくその罪悪感から、でしょうか、彼から別れを切り出すことはないでしょうから」
「あんた…それでいいの？あんたは悟のことを好きだったんでしょ」
「構いません」
迷いはなくはっきりとした声だった
「利用されていたとしても、悟からは既にたくさんのものを貰いました…これ以上何かを求めるつもりも、悟自身を縛るつもりもありません」
それに、と花子は続ける
「忘れてたんです、私がなぜ高専に入ったのか…」
なぜかは聞けなかった
花子の瞳はまるで初めて姿を見た時の様にゾッとする程の暗い色を孕んでいた
アタシは一人医務室に座り書類と向き合っていた
花子と話しをしたことを思い出す度に進んで欲しい筆は全くといって良い程捗らない
……悟
これは修復できないと思うけど
というより結局のところ悟がどうしたいのか全く分からない
何故私に説得に行かせたのかも
花子の言う通り、悟からは切り出さないとしても花子が納得して離婚との決断を下したんなら悟がとやかく言う必要はない
むしろ悟にとっては喜ばしいことなんじゃないのか
…取り敢えず一報
『修復不可能』
送信、と
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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます！！是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (
レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます！！続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります！パスワードを教えて頂きたいです！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました！ パスワードを教えていただけないでしょうか？ (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年2月26日 0時
