治くんの彼女。【HQ】 (ページ12)

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挨拶を終えたAが帰った後。

侑が機嫌よく鼻歌を歌う中、治は眉間にシワを寄せたまま険しい顔をしていた。

尾「治が侑みたいな顔しとる」

角「...？」

対照的な2人を心配した尾白が困った顔を浮かべた。

侑「北さん、次写真部いつ来るんですか？」

侑がキラキラした目を北に向けて尋ねた。

北「あー、水曜と金曜って言ってたから明日やな」

爪磨きしながら答えた北がぴたっと手を止めた。

北「...お前あの子に左右されて調子落としたら即効写真部に言うてメンバーチェンジさせるからな」

北の言葉に侑が苦笑いするが、直ぐに表情を変えて北を見た。

侑「むしろ、調子良くなるんで見といてください」

謎の自信がある侑が目を細めて微笑んだ。

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治くん18時半いつもんとこ

Aがスマホを確認すると、もはやAにしか分からないようなメッセージが届いていた。

Aが恐る恐る備品倉庫に向かい、扉をゆっくり開けると既に俯いた治が腕を組んで待っていた。

A「...お疲れ様～」

治の表情を確認しながらAが近付く。

治「...。」

A「ごめん治くん、私もこの件はほんまに知らんかっ

Aが話している途中に治がAの腕を引いて抱きしめた。

A「...治くん？」

Aが困惑しながら尋ねるが、暫く治は何も言わないまま抱きしめ続けた。

治「...Aさ、侑に狙われとるで」

A「......え？！」

耳元でぼそっと言われた一言にAが驚いた。

治「まぁ気付いてへんよな」

小さくはぁ、と溜め息を吐いた治がAの首元に顔を埋める。

治「あいつ気分ころころ変わるから暫くほっといたらAのことも諦めるやろおもてたけど、何かそうは行かなさそうやから忠告しとくわ」

A「...う、うん...」

まだ事実を受け入れられないままAが返事をすると、治がゆっくりと離れてAを真っ直ぐ見た。

治「俺が傍におる時は見張ってるけど、おらん時はAに任せたからな」

A「...わかった」

困惑するAの頭を撫でながら、不安を隠した治が優しく微笑んだ。

治「...まぁ心配せんでもAは俺のこと大好きやから大丈夫か」

顔を赤くしたAがこくこくと頷くと、治がはにかみながらゆっくりキスをした。