準備 ページ8
一通り俺はアオイのことを話した。
3人は最初はにこやかに聞いてくれていたが、話し終えた時には真剣な表情に変わっていた。
「アオイって子はAが布を織るのに興味があるんじゃねーの?リストバンド手作りしてるし。」
「そうね…あ、私は住むのは構わないよ?部屋は私達の部屋にいればいいし。」
「私もいいけど…お金…もつかな…アルバイトする?」
3人は次々と意見や感想を漏らす。
「いいのか?見ず知らずの子だし…負担かけるかもしれないんだぞ…」
俺がそう言うと、3人は顔を見合わせて軽く笑った。
「何言ってんだよ!俺は、可愛い女の子なら大歓迎なんだよ!!なんなら今すぐ連れてこいよ!!」
「Aはもう呼びたいんでしょ?反対したって、どうせ孤児院に通うんだから、さっさと連れてくればいいじゃない。」
「悪い子じゃ無さそうだし…いいんじゃないかな…1人くらい増えたって、この家じゃ大きな負担にはならないよ。」
3人とも何を今更といった感じだ。
良かった。拒絶されなくて。
俺は、本当に心から安堵した。
「カズ!!!これもそれも全部あんたのなんだから!!さっさと片付けて!!」
「分かってるって…って、捨てないで!!捨てないで!!!!」
マノンが「そうと決まればさっさとできるところは片付けちゃいましょ」と意気込み始めたので、軽く掃除が始まったのだが、カズの片付けだけが一向に進まない。
「出したらちゃんと片付けなさいよ!!この前も裸足で踏んで痛かったんだから!!」
「注意して歩けば大丈夫だろ!!…ってぇ!!なんか踏んだ!」
「2人ともうるさいよ〜…静かにして〜…!!」
俺が「口ばかり動かさないでさっさと終わらせろよ…」と呟くと、二人同時に
「「A(お前)はいいから仕事して!!!」」
と怒られてしまった。
俺が今織っている布の制作が終われば迎えに行くということになったので、早く作業を済ませろとマノンに言われた。
なんだかみんな、アオイが来るのを楽しみにしているようで良かったと安堵しつつ、俺は作業場に向かった。
「はぁー…疲れた…ちょっと休憩…」
俺は一度集中すると周りが見えなくなりがちだ。
なので気がつくと物凄く時間が経っている事がよくある。
俺が時計に目をやると作業を始めたのが大体23時だったのだが時計の針は3時過ぎを示していた。
「うお…さすがに寝るか…」
立ち上がり、軽く伸びをして部屋を出ようとすると部屋のドアに張り紙がはられていた。
『夜食は冷蔵庫!片付けは終わったから頑張りなさい!!』
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白詰草 - コメントありがとうございます!!多忙なもので更新が遅くて申し訳ないです。スキマ時間で書いていきますので気長にお待ちいただければと思います! (2020年11月30日 16時) (レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ@うぇーい教おいしい美茶教(プロフ) - 初めまして…!題名に少しつられてのこのこやってきた者です!オリジナルなので、原作なども読まなくて良いし、どんどん引き込まれます…!ゆっくり更新でも良いので、更新、頑張ってください…! (2020年11月29日 6時) (レス) id: e02f1d7237 (このIDを非表示/違反報告)
白詰草(プロフ) - コメントありがとうございます!!超スローペースで申し訳ないです。また読みに来て頂けたら嬉しいです! (2019年12月14日 1時) (レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - はじめまして!続きが気になって一気読みしました。これからも頑張って下さいっ(*^^*) (2019年12月10日 2時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白詰草 | 作成日時:2019年4月18日 1時