第49話 ページ6
Aside
日向君は随分明るくて面白いなと思いながらも下駄箱で分かれた。いつものように教室に入ったら
雪「ちょっとぉ!A!!あの子誰!?」
……多分
『1年生の日向君って子。バレー部の。』
雪「はぁあ!?なんで一緒に来たのよ!?」
いつの間に見られていたのか。彼はオレンジ色の髪だから見立つのかな。
そんなに一緒に来たことが変だったのか、雪はずいーっと前のめりで聞いてきた。
『道で声掛けられたの。前に私を見掛けたことがあって、って。』
雪「…で?」
『…』
雪「で!?」
『西谷君や田中君に、私の事聞いていたみたいなの。バレー部で一緒だから。』
雪「……それだけ?」
『それだけ。』
何か言いたげなのかブツブツ言ってる雪を横目に席に着いた。
雪「なんかAが誰かと一緒に登校してた〜とかって話題になってんのよ?」
何故。私はただ声を掛けられて一緒に来ただけなのに。
…そうか、いつも1人だったから……
雪「超超超美人な上にあまり人を寄せ付けないAだからこそよ。目立ってたんじゃない?」
目立ってたのは私?というより前半の部分は余計だ。
『話したのは今日が初めてだし、別に何もないよ。』
雪「ふーーーーーーーん…」
ジロジロと見てくる雪はなんとなく笑っていた。
『なに?』
雪「A、前に比べて少し表情が柔らかくなったんじゃない?」
『…そう?』
そう言いつつ自分でも薄々そう思っていた。
不思議とバレー部の人たちと話していると、なんとなく気持ちが軽くなる。
西「はよーっす!」
みんなに聞こえるように挨拶しながら入ってきた彼もまた、バレー部だ。
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作者名:極東華梛魏 | 作成日時:2021年8月2日 20時