第80話 ページ37
西谷side
いつも夜月さんが帰っていく方に向かって走ってはみたものの、家があるわけでもなく、なんとなく山の入口があるぐらいだった。
西「本当にこっち、なのか?」
間違ってるなら意味ねぇな。こっちの方って確か…昔じいちゃんにオバケが出るから行ってはダメだと言われていた場所か?
西「オバケにビビって……こっちは来なかったな。」
今思えば情けない昔の自分。
西「丁度いい。探しながら探検でもすっか。」
昔は来られなかった辺りを歩く。
歩く…歩く………………
西「何もねぇ……あ?」
山に続くような道が少し拓けたと思ったら何かの入口と人影が見えた。あれって…
西「烏養さん、と夜月さん…?」
何で夜月さんが烏養さんと?接点なんてなかったよな。
バレないように何を話してるか聞こえる場所まで近づいた。聞く限りだとまだ会ったばかりの様だった。
『それで、本題は何ですか?』
本題?なんの事だ…なんで烏養さん黙ってんだ??
鳥「いや、その…夜月さんの………一族の事、聞いちまってよ……」
…は?一族?
『……可愛そうだと、哀れだと思いましたか?』
何の事だかさっぱりわかんねぇ…一族って、夜月さんの一族ってことか?
鳥「いや、そうじゃねぇ。確かに現実味のない、信じがたい事だ。」
西「……」
鳥「当時俺たちは中学生だ。うっすらとしか記憶にねぇし詳しい事は何も知らねぇ。けど、この間親父に…何があったのか少し聞いた。」
烏養さんが中学生?確か今って25、6歳とか言ってたし12、3年くらい前ってことか?
俺らなんてまだガキじゃんか。
『なら私が何をしたか、何をしようとしているのか、なんとなく察しているのでは?』
夜月さん、が…何をした?何をする?
知りたいんでしょ、私の事。
あの言葉を思い出した。
知ったらどうなるんだよ…。
それを聞いた事で何か問題があんのか?なんで何も言わねぇんだよ…
『……それに…』
鳥「それに?」
『深く関わり知ったことで、彼らもタダでは済まないと思いますが…』
頭が、追い付かなかった。
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作者名:極東華梛魏 | 作成日時:2021年8月2日 20時