【第九十三話】 ページ46
『貴方って、考えなしの無能さんよね』
｢...そうかな?｣
対になって俺と彼女は座っていた。二人の間には円型テーブルが挟まれており、その上には数多程の洋菓子がキチンと配置されていた。
彼女はフォークを使い器用にショートケーキを頬張っている。
『ええ、だって貴方、ギルドを一刻も早く抜け出したいと思ってるんでしょ?』
｢そりゃあ、まあ...。早く探偵社に帰りたいと思ってるよ｣
『でも、ギルドの中に嫌いな人はいないんでしょ?
それなのに何で抜けたがるのよ?』
彼女はケーキを食べるのを止め、今度は紅茶に手を出した。
｢いや違うんだよ、俺がギルドを辞めた理由は、もうこれ以上罪のない人を殺したくないって訳で...｣
『じゃあ何で武装探偵社なんかに入ったのよ』
｢それは...彼処だったら、憧れの人がいる彼処だったら...俺の中の正義を見いだせると思ったか.....｣
『莫迦言ってんじゃないわよッ!!』
彼女はさっきまでの落ち着いた雰囲気が嘘かのように態度を凶変させた。
椅子から立ち上がり何を仕出かすのかと思いきや、俺に近付き俺の首を締め始めたのだ。
地面に叩きつけられ呼吸が困難な状態に晒された。
『貴方、今までの罪をそんなちんけな探偵社に入ることで許して貰おうと思っていたの?
そこが考えなしの無能なのよ!』
『自分が今までどれだけの人の命を奪ったのか考えたことがあって!?老若男女問わず殺した人の数は?
そら、言ってみなさいよ!!』
｢...ｸﾞｯ...それ、は...｣
.....正直な所、考えたことなんてなかった。
今まで奪った命のことなんて、所詮はああまたこれも新たな仕事か程度にしか思っていなかったから。
『...結局はその程度ってことなのよ、貴方の罪の意識はね』
そうして彼女は、俺を絞め殺した。
罪を払拭出来ず、正義という綺麗事だけに目を向けていた俺を静粛するため。
深い深い、罪の海底へと、落としていった。
────○────
｢ﾊｸｼｭｯ...うぅ...｣
｢あ、Aくん...?｣
目が覚めたばかりでふわふわとする視界の中、やっと起きたと言わんばかりにポオさんは近付いてきた。
ボソボソと喋っており何を語っているかよく分からなかったので、俺は先程見ていた夢の事を一人思い出していた。
あの女性...何だか自分そっくりな顔付きをしていた。妙に心に引っかかるあの夢...。
だがその時はとにかく頭がボーッしており、深く考えることは出来なかった。
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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます！！楽しみにしています！！更新頑張ってください！！ (2016年11月18日 23時) (
レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(； ･`д･´)ｺﾞｸﾘ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います！リクエストありがとうございます！(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します！！ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです！！ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください！！わがまますみません！！ (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» ３周もリピートされているとは…！大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります！！ヽ(｡･ω･｡)ﾉ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました！これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです！ (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アメ子 | 作成日時：2016年9月16日 19時
