【第七十六話】 ページ29
「アッハッハッひひはハハッハハッハハッハハッハハッハハッ!!!」
突然気味の悪い人形は独りでに笑い出した。
「始まったか、後はこの人形を破壊し異能発動のトリガーとするだけだな」
「!...判った...降参する!貴方達の捜し物に僕も探偵社も全面協力する!!」
「やめろ!降参しちゃ駄目だ!!」
敦の屈指の決断の中、ある青年が団長の部屋の空気を変えた。
「...やはり、オルコットくんの言う通り縛り上げといた方が良かったか?
A...」
「その通りかもね、団長...」
Aの勘通り、敦は団長の部屋にいた。団長は例のQという少年の人形を持ち、今その瞬間異能を発動しようとしていたのだ。
「Aさん...」
「すまない敦くん、感動の再再会は後にしよう...」
「フッ...そう言っていられるのも今の内だぞ。人形は今俺の手にあるのだ、俺は何時だってこの人形を...」
ヒュッっという風が団長の横を通り抜ける、彼の手にあった人形は壁に刺さっていた。
Aは事前から持ち合わせていた果物ナイフを使ったのだ。
「...お前、何故武器を持っている...。武器だけは回収した筈だぞ」
「ちょっとね、オルコットさんと別れた時...こっそり盗らせて貰ったんだよ」
人形は未だ不気味な笑いを続けるも体がナイフのお陰で壁に刺さっており、宙ぶらりんな形になっていた。
するとAは敦を抱き抱えだした。
「なっ...!?」
「アンタの目的は敦くん何だろ?交換交渉だ。
さあ、その人形を貰おうか!」
「お前...!」
Aは今回ばかりは勝ったと確信を掴んだ、交渉方ならこちらは嫌という程探偵社で経験したのだ。
団長が人形を手に取る瞬間に、懐にまだ残っているナイフを団長の手に向かい投げる...。
今度こそ、今度こそ団長を負かすことができる...。
Aはそう実感していた。
「.....」
「何を黙ってるんだ団長!早くその人形を渡せ!」
部屋の中の時間がとても早く感じた、皆が横浜が燃える燃えないという緊張感を直に実感しているのだ。
だが
「...クク...ハハハ」
「!...何が可笑しい」
団長だけは何故か気でも狂ったかのように笑い出したのだ。
「フフフ...いや、お前があまりにも浅はかでな...つい笑ってしまったのだよ」
「...!五月蝿い...!早くその人形を渡せ!!」
「そういえばお前は、昔から頭の回転だけは悪かったからなぁ。
先の事を考えず、ただただその瞬間だけの事を考えている...だからお前は失敗するのだ」
218人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時