【第四十九話】 ページ1
「会えて嬉しいよ、ヘリを道路に止めさせたが、まずかったかね?」
「外つ国の方が、遠路はるばるご苦労でしたな」
此処は武装探偵社の一部屋。
先程の騒動は、北米から訪れた『ギルド』というチームが犯.したものだった。
「フィッツジェラルドだ。
北米本国で、ギルドという寄り合いを束ねている」
「フィッツジェラルド殿、貴君は懸賞金でポートマフィアをそそのかし、我々を襲撃させたとの報告があるが…」
「誠か?」
福沢は顔に怒りを示した。
「まさかこの国の非合法組織があれ程役立たずとは…謝罪に、良い商談を持ってきた」
そう言いアタッシュケースから出てきたのは、幾つにも束ねられた札束だ。
そして彼はこう言う。
「この会社を買いたい」
と。
「勘違いするな?俺はここから見える土地と会社を全て買うことが出来る。
この社屋にも社員にも興味はない。…異能開業許可証をよこせ」
「...!」
この国で異能力者の集まりが合法的に開業するには、内務省異能特務科が発行した許可証が必要とされている。
大手を振ってこの街で探しものをするには、その許可証が必要不可欠となっている。
フィッツジェラルドはそれを欲しと言っているのだ。
「断る」
だが福沢も黙ってはいない。
するとこれでは足りんかと更に商談物を加えた。
「これでは足りんか。では、これも付けよう。
限定生産で、特注ダイヤがあしらわれた一品だ」
「あれは社の魂だ。許可証発行に尽力して頂いた夏目先生の想いが込められている。
頭に札束の詰まった成金が安々と触れて良い代物ではない」
「いくら君が強がっても、社員がみな消えてしまっては会社は成り立たない…そうなってから意見を変えても遅いぞ」
「御忠告心に止めよう、帰し給え」
福沢はフィッツジェラルドの脅迫にも動じず、速やかに退室させようとした。
だが、
「ああそうだ、一つ聞き忘れていることがあった」
「...商談ならもう聞かんぞ」
「商談ではない、人探しだ」
するとフィッツジェラルドは一枚の写真を福沢に見せた。
写真には齢16程の少年が写っていた。
茶髪のショートカットに、嘘偽りを知らないような純粋なはにかんだ笑顔。
福沢はこの写真の少年に違和感を覚えた。
「その写真の青年は当時二十歳でね、私たちギルドに所属していた人間の一人なのだが...二年前、突如姿を消してしまってね」
「名はA・シマムラ。
日本人だ、此処ヨコハマで幾つかの目撃情報を聞いてね」
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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時