小さな神威くんの飼育係

新章 第16話 『ツンデレ』 ページ31

「ADVD見ようよ」




と至極ニッコニコの顔の神威
こいつ絶対何か企んでるなと思ったが
断るとこの我儘王子は面倒な事になるので
しょうがなく承諾した





『何見るのよー』






と呟けばあいつは凄く輝いた笑で
ホラーと言う。






そして2人で鑑賞会が始まった






「逃げろ！あいつらが来る！」



「だめだ、このままじゃ、！」






とキョンシーが画面の中の男達に襲いかかる。
確かにあの訳分からない動きは怖いかもしれないけど、前見てるのかなという疑問がまず湧いてきた





そんな事を考えていた時
神威があたしの顔をのぞき込んできた






「...怖くないのかよ？」






『え？ああ、こういったホラー系は
案外大丈夫な方なんだ』







と答えれば眉間にシワを寄せ
不機嫌モードに入る神威。






今怒る要素あったか？！
と疑問に思ったが、ふと以前2人でホラーを見た時の事を思い出した。






"ホラーを見ると
無性に人に抱きつきたくなるんだよね
こうゆうときにかむいがもう少し大きければ"





なんて自分が言った言葉を思い出す。






あ、もしかしてこいつ...







『神威』





「なに」






と機嫌の悪い神威に向かって
一か八かであたしはぎゅうっと腰に抱きついてみた







すると









「...何するんだよ？
苦しいんだけど」







と少しだけ声色が優しくなった為
ああ嬉しいんだなあと感じた今日この頃の話。

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