吸血 79 ページ37
ルイside
美香さん達の仇が死ぬ。ずっと待っていたこの時がついに訪れた。
今までの憎しみを込めて殴る。Aもコイツのせいで一人になったんだ。苦しんで死ねばいい。
Aには悪いけど。俺は今、コイツが今までやってきたことを許す心がない。苦しめ。死ね。お前なんか！
主「止めてッッ！！！！！！！」
Aの悲痛な叫びに顔をあげると泣いているAに突き飛ばされた。
ル「Aッ！何で……………！」
驚き半分、止められた怒り半分でAを見る。でもAは俺に見向きもせずに人狼の方へ膝をつき、毛を撫でる。
主「リトッ！ねぇリト！！起きて！お願い！目を開けて！リトぉ………！！！」
ぎゅう、とリトを抱きしめるAからは憎しみなんて感じなかった。
…………何でだよ。何でコイツに復讐したいって思わないんだよ！！両親が殺されたのに！何でッ！！！
リ「……げほ………」
主「リト！！」
Aが人狼の方に顔を向けると人狼は大神クンの姿に戻っていた。血だらけの顔でAを見る。
リ「あ、ぁ………起きた、のか……。せっかく、こんな死に姿…………見せない、ように、気絶させた、のに………。何にも……上手くいかないな………」
力なく笑う大神クンの頬にAの涙が落ちる。
死に姿を見せないために気絶させた？それはどういう意味だ？
大神クンは俺の方を見る。
リ「手紙に、書いてあったろ………？」
手紙の内容を思い出す。確か……『今日が最後の人狼殺しだ。』 そうだ。あの文章はおかしい。
ル「ッ………まさか！」
自分が死ぬのを分かってたから、あんな言葉を？それなら、今Aに言った言葉も………。
リ「俺を殺せば、人狼は全滅なんだ……」
だから、“今日が最後の”人狼殺し。
主「リト！嘘でしょ！？死なないで！手当て……そうだ！怪我手当てしなきゃ！」
瞳からは涙を溢し、震える体でリトに触れる。でも体が動いていない。
リ「はは……馬鹿だな………。なに泣いてんだよ……。両親を殺した、仇なのに……。ホントに、優しいな」
血がついた手でAの目元を拭う。
リ「これでいいんだよ。人狼の存在とこの気持ちごと、俺は消える……」
主「嫌………いや…………お願ッ、いなく、ならないで………！！！」
絶望に染まる顔をするAに向かって、大神リトは、笑った。
リ「好きだよ、A」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まどか - りょーかい、待ってるね！！ (2018年8月27日 16時) (
レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとー！それじゃ戦いを終わらせられるよう、頑張りまっす！ (2018年8月26日 10時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - うんうん、凄い！！私も早速投票させてもらったよ(^^♪ (2018年8月26日 1時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» アンケート作ってみた！どうかな？上手くできてるといいけど………。 (2018年8月25日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - オッケー、待ってるっ！！ (2018年8月24日 21時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：埋夜冬
| 作成日時：2018年5月26日 0時
