何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ44)

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108話ページ44

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試合再開早々、ゴレイヌがキルアに声をかける

ｺﾞﾚ「キルア！」

ｷﾙｱ「？」

呼び掛けに応じ、ボールを外野にいるゴレイヌに渡した

ｺﾞﾚ「やられっぱなしってのはどうも性に合わないんでな。」

そういって踏み切り、ボールをこちらに向かって投げた

貴『(えっ！？こっち！！？)』

次の瞬間、内野にいた黒いゴリラとレイザーの位置が入れ替わった

ドゴォォォン

ボールはレイザーの顔面に直撃した

貴『(なるほど。黒い方は他人と位置を入れ換えるんだ...)』

そのままボールは床へ落ちる、と思われたが、

ボールが地面につく直前、レイザーの念獣がボールをさらい、ゴレイヌへ球を投げた

バコォォォン

貴『っ！！』

思わず顔をしかめた

貴『(あれは痛い...)』

ゴレイヌが不意な一撃により意識を失ったとき、彼の念獣が消滅した

ｷﾙｱ「ゴ、ゴレイヌ！！」

貴『(あれは、きつい...

たとえ、意識が戻ったとしても念獣を出すコンディションまでの回復は見込めない...

何より、彼自身がレイザーとの力の差を実感してしまったはず...)』

倒れたゴレイヌを見てレイザーが告げた

ﾚｲｻﾞｰ「なかなか良い能力だ。大事にしなよ。」

貴『(状況は、こちらの内野が４人━━私、ビスケ、キルア、そしてヒソカ。

相手は３人。

ただ、やっぱり不利なのはこっち。

向こうは外野を固めてきてるけど、こっちの外野でまともに動けるのは、ゴン、だけ...)』

右にいるキルア、左にいるビスケとヒソカ、そして正面のレイザーへと視線を移した

ゴレイヌに当てた球は跳ね返り、すでにレイザーが保有していた

ﾚｲｻﾞｰ「さあて、次は誰かな？」

貴『(...)』

不適に笑ったレイザーが

球を放った

貴『(はやい。)』

キルア目掛けて一直線でボールが進む

貴『(いや、まが...る？)』

こちら側へ避けようとしているキルアに叫ぶ

貴『右に避けて！キルア！！』

ｷﾙｱ「！！」

声が間に合うはずもなく、キルアは既に重心を左へ移動してしまっていた

貴『！！』

ボールが曲がるコンマ数秒前、キルアに向けてAが念弾を放った

ｷﾙｱ「いっ！！！」

貴『(ごめん！！)』

念弾により右側へ弾き飛ばされたキルアはボールの軌道の外側へ弾き出された

そのままボールはA達の方へ直進する

貴『(受けきれ...ない！)』

紙一重でかわす

「ビスケ！！」

Aの左側にいたビスケとヒソカもギリギリで避ける

が、

貴『ヒソカ！！！』