何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ34)

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98話ページ34

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貴『ヒ...ソカ...？』

ゆっくりと顔を離し、彼の閉じられていた瞳が開く

そして、目があった

貴『ど...したの？』

突然のことに喉の奥が乾燥し声が掠れる

ﾋｿｶ「ｸｸｸ♦

顔が真っ赤だよ♥」

頬に添えた手で頬を撫でつつ、愛しそうに見つめられる

貴『ど...して？』

ﾋｿｶ「したくなったから、だよ♦

だめだったかい？♥」

貴『だめ、じゃないけど...

私、初めてだったのに...』

ﾋｿｶ「！♦」

一瞬、驚いたような顔をしたヒソカだったが

嬉しそうに笑って続けた

ﾋｿｶ「そうかい？♣

だからそんなに初々しいんだね♦」

貴『...慣れてなくてすみませんね。』

ﾋｿｶ「そんなこと言ってないだろう？♦

拗ねちゃったのかい？♣」

貴『...拗ねてないよ。』

ﾋｿｶ「ｸｸｸ♦

そんなところも可愛いって言ったつもりだったんだけどねぇ♣」

貴『ヒソカは経験豊富そうだよね。』

ﾋｿｶ「そうだねぇ♦

キミのことをリード出来るぐらいにはね♣

さあ、そろそろ寝ないと明日にひびくよ♣」

太陽の気配は全くない夜空を見つつ、ヒソカに預けた体はゆっくりと力が抜けていく

貴『ヒソカは？

休める？』

ﾋｿｶ「奇術師に不可能は無いの♦」

Aより一回りほど大きなヒソカの手がAの顔を包む

そうしているうちに、徐々に意識が薄れ、眠りへと誘われていた

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薄れゆく意識のなか、彼の声が聞こえる

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「もうどこにも行かないでおくれよ♦」