何でも屋と奇術師 Ⅱ (ページ42)

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62話ページ42

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すごく長い間待っていた気がした

時が止まっているのかとさえ思わせる時間だった

クラピカとの交渉を終え、人質交換の段階でようやくクロロとの面会が許された

貴『クロロ...』

クラピカからの一方的な暴力で少々窶れた彼に声をかける

クロロ「旅団員との一切の連絡を断つこと、

念能力の使用の禁止を条件に人質を交換、だそうだ。」

人質、自身を指す言葉だが、どこか他人事で関心のない言い方に胸が痛かった

クラピカを助長してしまったのは間違いなく自分で、

その矛盾が辛かった

貴『ごめんなさい。』

クロロ「なにがだ？」

貴『クロロが期待してたことをしなかった上にクラピカに余計なことまで言ってしまったから...』

クロロ「ここにつれてくるべきではなかったな。」

貴『！！』

責められても当然だった。

貴『ごめん』

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クロロ「そうじゃない。

俺のそばなら守れると思って置いていたんだが...

俺自身が拐われるなんて考えもしなかった。」

貴『え？』

クロロ「Aを危険にさらしたくはなかった。」

初めて聞く告白に耳を疑う

クロロ「Aに怪我がなくて良かった。」

貴『っ...

なんで...

私...』

そっとAを抱き締めクロロは言う

クロロ「もう少し、働いてもらう。」

貴『...うん。』

彼の腕の中は温かかった