45 ｢早くゲートへ！！！｣ ページ45
…
｢こんのすけさん、くだぎつね、っていうんだね、知らなかった…確かに見たことない模様とかあるし、言われてみれば、神様とかに近い気するな｣
｢更に言いますと、私の他にも、各本丸、そして政府本部にまで、沢山の同じ管狐がおるのですよ｣
｢えっ、そうなの！？｣
｢はい。時の政府と、本丸及び審神者を仲介する役職も、主に我々が担っております｣
｢…こんのすけさん……2205年…未来…すご…｣
色々ぶっ飛んでるわ…。と漏らすその方が、一通り目を通したのだろう、『審神者の基本職務』を閉じ、次に隣にあった『刀帳』を手に取り、開こうとした
その時だった。
｢っ！わ、｣
｢！｣
目の前のパソコンが突如鳴り出し、その方も私も、一瞬びくっと体を震わせた。
電話の相手は、時の政府だと画面が伝えていた。
｢せ、政府、…これって、｣
｢予定より少し早いですが、…ゲートの準備が出来ておかしくない頃合でございます｣
微かに動揺しながらも、一度目を互いに合わせると、その方は静かに頷き、マウスに手を置いた。
カーソルが受話器のマークをカチ、と押すと同時に、電話向こうの相手…同じ役人である…が、
話し、
｢ん…？？｣
｢これは、｣
話し始めるかに思われたその電話の音は、酷く乱れていた。ザーという大きなノイズに混じり、｢…を！……ます…！！急い、…！｣と男の声が混じる。
かなり焦っているようだった。
｢え、聞こえな、｣
困惑しているその方の前に進み出て、｢ご安心を｣と声をかけた。喉元の鈴が淡く光る。
｢こ、こんのすけさん…？｣
｢通信回路を整えます、少々お待ち下さい｣
当初、重症の傷で、私は政府に信号情報さえ上手く送れなかったものの、今は違う。
鈴の光が強まると同時に、電話の声も段々と聞き取れるものになってきた。そして、
｢…！｣
｢来ましたね｣
我々の座っていた長机の横、その場所の景観が、家具や畳、襖ごと、徐々にぐにゃりと歪み始め、やがてぽっかりと空いた黒い穴を形成した。
｢こちら政府の者です！聞こえますか…！｣
｢…っあ、はい！聞こえます、ゲートも、｣
｢刀剣男士が近付いています！！！｣
｢っへ？｣
｢早くゲートへ！！！｣
電話口から聞こえる大勢の焦る声と、役人の大声。
呆気に取られる私達に更に声が畳み掛ける。
｢この気配は…っ、｣
三日月宗近！！！
役人がその名を叫んだと同時に、
後ろの障子が開く音がした。
46 (美しすぎて、怖かった。)→←44 (もし最初から、)
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ゆり - 面白かったです！！続編も気になります。見てみたいのでパスワード教えて下さい。お願いします(＞人＜;) (2022年5月4日 17時) (
レス) id: a0139c2d82 (このIDを非表示/違反報告)
plus__m(プロフ) - 登場人物達の感情や情景がとても細やかに書かれていて、読んでいるだけなのにその場を身をもって体験しているような気持ちになってとても面白いです！特に緊迫したシーンは息が止まっていることも忘れて読んでました笑。続編の加筆修正終わるのを楽しみにしております！ (2022年4月19日 20時) (レス) @page50 id: 5adad14c72 (このIDを非表示/違反報告)
キャンドル(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですね、この作品！続き、楽しみに待っております！ (2022年3月30日 20時) (レス) @page50 id: ff7e3e1da7 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ナイ - 続編のパスワードってなんですか？気になるんですがパスワードが分からなくて読むことができません！教えてくださいm(*_ _)mm(_ _)m (2022年3月25日 22時) (レス) id: d118b4d7f4 (このIDを非表示/違反報告)
Momo_Tarou(プロフ) - 鳥さん» 続編おめでとうございます！！！絶対絶対絶対×∞に夜見に行きますので！！！ (2020年2月26日 7時) (レス) id: 55132ee02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥 | 作成日時：2020年1月29日 3時
