12 ｢ブラック本丸を感知！！｣ ページ12
結論から言わせてほしい。ここは、＿＿未来だった。
そして、未来の政府ですら、この状況を良くすることは出来なかった。
｢このようなケースは初めてなんです｣
もう、そろそろ本格的にあたしの涙腺が悲鳴をあげてきたことを感じながら、あたしはずっと同じことを繰り返した。頼む、どうか、あたしを、帰らせて。ただそれだけを。でも、
遮るように言われる画面の向こうの静かな言葉に、ここに来て初めて怒りと本当の絶望を感じた。
……電話をかけたとき、
あたしが政府の連絡先をデスクトップ上に見つけ、電話をかけ、繋がった途端、液晶の向こうから｢直ちに警戒態勢に！｣って大声が聞こえてびびった。
｢ここがこのように荒廃していることを、審神者様は、隠蔽しておられたのです｣
横でぽつりと狐が言った。まるでこうなることは予測済みだったみたいに。あたしはこの後何が起こるのか自分がどうなるのかまるで分からなくて、ひたすら相手方のパニックが落ち着くのを待った。
コールセンターみたいに大勢の人がスピーカーの向こうで動き回っているのが聞こえる。
その喧騒の中から「ブラック」「けがれ」ってワードが聞き取れて嫌な予感しかしなかった。
ここがもしハラスメント調査に突如乗り込まれた職場みたいなもんだとしたら、とんでもなくイケないことがバレて、警察呼べ！って事態になってる気配がした。
｢ブラック企業発見！ブラック企業発見！！｣的な？とか思った瞬間、｢ブラック本丸を感知！！通信相手審神者です！｣ってモロ電話越しに聞こえてきて、白目になりかけた。
電話相手は若そうなお兄さんの声で、最初は警戒していたけど、あたしが｢もしもし｣のあとでフルネームを言った途端また向こうの職場が天変地異でも起こったみたいな大混乱に陥った。
隣の狐も何故か顔を青くしてカタカタしていて、瞬時に部屋の向こう側で倒れたままのお兄さんにばっと目を向けた。でも、気絶してるのを確認して｢ふ、ふう、｣と息をついていた。あたしだけが何がまずかったのか分からなくて放心していた。な、なまえ言っただけなのに、なに、？？？？
そしてかなりの時間を要して騒音が消えた政府と、あたしの間で会話が為され、事情が説明された。
さにわ、？
じかんそこうぐん？
れきししゅうせいしゅぎしゃ？？
とうけんだんし？？？？
さっぱり、理解不能だ。
確かなことは、ここはやっぱり、異世界だった。
13 ｢消滅、ということに、｣→←11 ｢政府の者を、呼びましょう｣
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ゆり - 面白かったです！！続編も気になります。見てみたいのでパスワード教えて下さい。お願いします(＞人＜;) (2022年5月4日 17時) (
レス) id: a0139c2d82 (このIDを非表示/違反報告)
plus__m(プロフ) - 登場人物達の感情や情景がとても細やかに書かれていて、読んでいるだけなのにその場を身をもって体験しているような気持ちになってとても面白いです！特に緊迫したシーンは息が止まっていることも忘れて読んでました笑。続編の加筆修正終わるのを楽しみにしております！ (2022年4月19日 20時) (レス) @page50 id: 5adad14c72 (このIDを非表示/違反報告)
キャンドル(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですね、この作品！続き、楽しみに待っております！ (2022年3月30日 20時) (レス) @page50 id: ff7e3e1da7 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ナイ - 続編のパスワードってなんですか？気になるんですがパスワードが分からなくて読むことができません！教えてくださいm(*_ _)mm(_ _)m (2022年3月25日 22時) (レス) id: d118b4d7f4 (このIDを非表示/違反報告)
Momo_Tarou(プロフ) - 鳥さん» 続編おめでとうございます！！！絶対絶対絶対×∞に夜見に行きますので！！！ (2020年2月26日 7時) (レス) id: 55132ee02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥 | 作成日時：2020年1月29日 3時
