続・思えば思わるる？いいや逆だひっくり返せ！

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閑散とした施設









人がいないせいか少し肌寒く感じる









コンクリート製の壁には錆が流れた跡があり
割れた窓ガラスから光が差していた









欠けたブロック塀やトタン板が
そこら辺に落ちている









よくある心霊スポットだ









規模が大きいのに物はほとんどない








視界が広い








おかげで呪霊はすぐに見つけられた








東「デカいな…」









3階ほどの高さがある天井にへばりつくソレ









なんで天井にいるんだろう









貴「…もしかして


地下もありますか？」









上と下








両方から呪力の気配がする









2体の呪霊は仲良くしているわけじゃないらしい









東「あぁ







ここから50m先





北に面した入口に地下への階段がある」









貴「ですよね









こっち祓ったら
下に行きます」









もう1匹は下









同時に、よりは負担が軽い









少年院の呪霊





交流会の呪霊









あいつらよりは全然怖くない









貴「舞麗舞は35分前に発動済




13分以内で片をつけるのがベスト」









こちらに気づいた呪霊は
ヨダレを地面に落としながら近づいてくる









僅かに聞こえる金属が擦れる音









鉤爪かなにかで天井の鉄骨に捕まっている









東「闇より出でて闇より黒く
その穢れを禊ぎ祓え」







帳で工場全体が覆われたのを確認し
身体中の呪力に集中する









貴「初動で動きを読んで…












…ッ！！！」









東「！」









30m以上離れていたはずの巨体









しかし


今


もう目の前だ








発達した脚








両手の鋭い鉤爪








貴「い゛ッ……！！」








距離を最初から詰めなかったのは
一瞬で近づく術があったから！

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