お化け屋敷:Ra*bitsバージョン 前編 ページ1
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なずなは今、絶望している。友也、光(みつる)、創(はじめ)が行ってみたいと言っていたので、お化け屋敷に行くことになったが、なずなはお化け屋敷が大の苦手だった。
「…ゃん…ちゃん、に〜ちゃん！」なずなは創のその声で我に帰った。「ん？どうした？」とりあえずなずなは創に聞いた。「に〜ちゃん顔青いけど大丈夫ですか？」3人が心配そうに自分を見ている。もしかして、お化け屋敷が苦手なのでバレた？なずなは咄嗟に「大丈夫だりょっ」と言ってしまった。怖いけど、おれはみんなのに〜ちゃんだから頑張ろう、となずなは腹を括った。
4人はお化け屋敷に入った。なずなは静かに青ざめているままだった。3人はいきなり静かになったなずなのことを気にかけていた。“ドンッ”と突然音がすると、「わあああ！！！！！！」と、なずなは叫ぶと逃げ出した。3人は入り口へ向かってありえない速さで走っていったなずなを追いかけた。
なずなは恐怖のあまり、出口がわからなくなってしゃがみ込んで震えていた。やっとの思いで追いついた3人はなずなに声をかけようと肩に触れた。するとなずなは声にならない悲鳴をあげて振り返った。3人の顔を見て安心したのか、なずなのルビーのような瞳には涙が浮かんでいた。
「に〜ちゃん、大丈夫…じゃないですよね」友也が心配そうに言うとなずなは「@%/#*:！！！」と、少なくとも日本語ではない言葉を発していた。「に〜ちゃん、大丈夫なんだぜ！オレたちがに〜ちゃんを守るんだぜ！」と光が言うと、なずなを立ち上がらせ、4人で手を繋いだ。「ダッシュ、ダーs」「光！危ないから走るな！」光は走ってなずなを外に早く連れ出したかったが、友也に止められていた。たしかに暗闇の中を走るのは危ないしな。
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作者名：影弦 | 作成日時：2021年2月8日 23時
