家出、助けます。【梵天】

． ページ38

『この前ティラミス頂いた時も、
2個あったから、
一緒に食べて行ってくれれば
良かったのになーって思ったんです。


…あれ？竜胆くん、…プリン嫌い？』




竜 「そ、ういうわけじゃ…
…じゃあ、俺、そこ座って待ってる。」



『はい、すぐ持ってきますね。』






竜胆くんにプリンを持っていって、
ソファに座る彼の隣に座って2人で食べる。
隣に座ったら、ちょっと彼の様子が変だったけど、
大丈夫って言ってたから、
まぁ、大丈夫…なのかな？



ティラミスも美味しかったけど、
こっちのかぼちゃプリンも、
頬っぺたが落ちそうなくらい、
すごく美味しかった。



それに美味しいものは
やっぱり誰かと食べた方がいい。
ココくんとお昼をご一緒した時も
そう思っていた。




竜 「…なぁ、今日、どうだった？
ココのところで仕事。」



『ココくんが、丁寧に教えてくれましたし、
PCは苦手ではないので、
何とかなったと思います。


早くお役に立てるように、頑張りますね。』



竜 「そっか、ずっとココと……
いや。やっぱ何でもない。
…無理はすんなよ？


…あの、あとさ…、俺が選んだ服…、
今度着たら、見せてよ。」



『うん。じゃあ着たら、
竜胆くんに1番に見せますね。』



竜 「1番？
…ん。楽しみにしとく。


…じゃあ、そろそろ行くから。
またな、Aちゃん。」



『付き合ってくれてありがとうございました。
またね、竜胆くん。
気をつけて帰って下さいね。』





…部屋を出た竜胆が、
その場で座り込み、
自分の顔に熱が集まってくるのは何故か
しばらく頭を抱えていたことを
彼女は知らない。











残る差出人不明な贈り物は、
真っ白な美しいペアのカップとソーサー、ポットのセット。
一体誰が贈ってくれたのか、最後まで分からなかったが、
それをミニキッチンの棚に丁寧にしまった。



『このカップのセットは一体誰からなんだろう…。


蘭さんは、ココアは自分だって言ってたけど
カップのことは言っていなかったもんなぁ…。


それにしても綺麗だなぁ。」

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