検索窓
今日:26 hit、昨日:36 hit、合計:361,291 hit

ページ3

そんな状況に変化が訪れたのは、
彼の家に来て半年経った頃だった。




ある日の深夜0時過ぎ。






「おい、出掛けるから支度しろ。」



『はい。』





一体どこに連れて行かれるんだろう。
教えられることはなく、
もちろん聞くこともできない。



久しぶりに外出用に用意された服を着て、
靴を履いて、
彼の後に続いて部屋を出る。




やっと肺に正常な空気が取り込まれたような気がした。
それと同時に私に戻ってきた思考。




ドンッ!




私は彼の大きな身体を押して、走り出した。
不意打ちだからできた。





彼はマンションの廊下の柵に身体をぶつけて、よろけていた。
後ろで呻き声が聞こえる。





今だ、もう、今しかない。
あの部屋にいてはいけない。
感覚がおかしくなる。
だって、ついさっきまで、仕方ない、って受け入れ始めてた。





あんな生活してたら、
人じゃなくなっちゃう…!





しかし、数秒もあっただろうか、
すぐに身体を起こして、
鬼の形相で、追いかけてくる彼。





『ひっ…!』





はあっ、はぁ、はぁっ…


お願い…





『誰かぁっ、はっ…、はぁっ、助けて…!!』





叫んだ。叫んだはずなのに、
反応してくれる人はいなくて。




私は振り返らずに、
とにかく非常階段を降りた。




脚は今にも縺れそう。
まだ何メートルって走ってないのに、
酸素が足りなくなって、息が続かない。




あー…もう、ダメかも…。




絶対この半年、家に篭ってたからだ。
こんなに人の体力って簡単に落ちるんだね…




その時、曲がり角で、
誰かとぶつかる。

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (157 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
487人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» がんばります!ではでは(^^) (2022年11月15日 17時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月_siduki??_(プロフ) - 頑張ってください(ง •̀_•́)ง (2022年11月15日 17時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!このコメント欄でのやり取りを繋がってるって言うのかな?疎くてすみません…(^_^;)今作も楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2022年11月15日 16時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月_siduki??_(プロフ) - いや…すきで読んでるんで!!!キリンさんとは…本当に繋がりたいです((繋がってるのかな、? (2022年11月15日 16時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» 紫月さん、こんにちは。ありがとうございます。お手隙な時にでも、気軽にお読み下さると嬉しいです! (2022年11月15日 16時) (レス) @page23 id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きりん。 | 作成日時:2022年11月5日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。