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次の日、竜胆は律儀にも甘いものを買って
彼女の元を訪れた。
アジトから少し離れた個人クリニック。
その地下に彼女はいた。
人の良さそうなこのクリニックの医者が、
ウチの闇医者だ。
裏口から入り、地下へ。
光の入らないそこには、
質素なベッドが4台ある部屋と、
洗面所とトイレ、簡素なシャワールームがあるだけ。
奥のベッドに横たわる彼女。
もともと華奢な彼女が、
最後に会った時よりも少し痩せたように見える。
青白い顔だが、傷はだいぶ癒えつつあるよう。
包帯が巻かれた額と、点滴が繋がる細腕は痛々しさが残るが、
穏やかな寝息が聞こえて、一安心する。
…一安心って、何だ。
ベッドの隣の椅子に座って彼女を見ていたが、
起きそうにないので、
帰ろうとした時。
椅子が鳴ってしまい、彼女はゆっくり目を開けた。
竜胆はそれを黙って見ていたが、
目が合って、一瞬身体が固まる。
『あれ…、どちらさまですか？』
竜 「いや、…俺、は…。」
『…？』
竜 「…えっと、久しぶり…。」
『…あっ、もしかして…あの時ぶつかった…？』
竜 「そう。
…怪我は大丈夫？」
『あの時はすみませんでした…。
怪我は、おかげさまでかなり良いです。
…蘭さんのお知り合いなんですか？』
竜 「俺…、灰谷竜胆。あんたが言う��蘭さん��の弟。」
『竜胆さん…、弟さん…。
あっ、あの。助けてくれて、本当にありがとうございました。』
竜 「…え？、何で知って…。」
『蘭さんが、私を助けて、部屋から連れ出してくれたのは自分の弟だって教えてくれたんです。』
竜 「あー…。いや、まあ、うん…。
ぶつかった時、すぐ助けられなくて悪かった。」
『そんな…！謝らないでください。
助けて頂いただけで、もう…。
ふふっ、でも、口調が全然違うので、少し驚きました。』
彼女はそう言って、わずかに微笑んだ。
その表情に、竜胆は目を瞠る。
胸の奥を掴まれるような感覚。
…笑っている顔、初めて見た。
『竜胆さん？どうかしましたか？』
竜 「いや、…何でもねェ。
コレ。やる。…じゃあな。」
『あっ…、行っちゃった…。
わぁ、可愛い…。…ティラミスだ。』
竜胆が押し付けるように渡したのは、
猫のイラストの瓶に入ったティラミスが2つ。
『…一緒に食べて行ってくれれば
良かったのにな。』
彼女は竜胆が足早に消えていった扉を
見つめながらそう呟いた。
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きりん。(プロフ) - 紫月＿siduki??＿さん» がんばります！ではでは(^^) (2022年11月15日 17時) (
レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月＿siduki??＿(プロフ) - 頑張ってください(ง •̀_•́)ง (2022年11月15日 17時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月＿siduki??＿さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！このコメント欄でのやり取りを繋がってるって言うのかな？疎くてすみません…(^_^;)今作も楽しんでいただけるよう頑張りますね！ (2022年11月15日 16時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月＿siduki??＿(プロフ) - いや…すきで読んでるんで！！！キリンさんとは…本当に繋がりたいです((繋がってるのかな、？ (2022年11月15日 16時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月＿siduki??＿さん» 紫月さん、こんにちは。ありがとうございます。お手隙な時にでも、気軽にお読み下さると嬉しいです！ (2022年11月15日 16時) (レス) @page23 id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん。
| 作成日時：2022年11月5日 18時
