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42. ページ44

そこには、大勢の信者から称賛を浴びている悟と、
白い布をかぶせられた理子の遺体。


悟「遅かったな傑。A。
いや早い方か、

都内にいくつ盤星教の施設があるかって話だもんな」


傑「悟...だよな...?」

傑がそう尋ねる理由は私もすぐにわかった。
うまく言うことはできないが、雰囲気、オーラが違う。

覚醒。

そう、覚醒という言葉がぴったりハマる。


恐らく悟は反転術式を死の淵で会得した。

彼は別人のようだった。


私たちは集まる。

悟「...2人とも、硝子には会えたんだな。」

『うん、死にかけたけどなんとか戻ってこれたよ。』

傑「Aの呪霊にも助けられたんだ。
私たちは問題ないよ」


悟に抱えられた理子の遺体が目に入る。

『...私たちに問題がなくても、仕方ないよ......』


周りの教徒たちは、顔色ひとつ変えず、
気味の悪い笑顔を貼り付けて拍手をする。


......愚か、愚の骨頂。
なんなんだコイツらは。

理解できない。

したくもない。


_____________気持ち悪い。


傑「...A。」
傑の手が私の手を包む。

無意識に爪が食い込むほど手を握りしめていた。


傑「...戻ろう」

その声は一見私を諭しているようで、
自分自身の怒りを無理やり抑えているようにも聞こえる。

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作者名:綾ゞ | 作成日時:2020年12月4日 20時

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