戸惑いはない ページ16
ゲートを開き、またあの歪んだ空間に足を踏み入れる。うーわぁあ気持ち悪い。胃が空っぽなのもあって胃酸が込み上げてくる。
やっとのことで現世につけば、前見たときよりは少しきれいになった朱色の門が目に入った。
ゲートの前にはブラック本丸担当の役人さんが立っていた。いつもご苦労さまです。ブラック本丸課って一番ブラックなんだよね。名前に偽りなし。
「生きて、帰ってこれたのですねっ…本当に良かった、ぐす」
「へへ、なんか生還しちゃいましたー」
「かぐや様の本丸担当のこんのすけから、様々な話を聞いております。粟田口の刀たちを霊力のみで手入れし、三日ほど寝込んだとお聞きいたしました。ご苦労さまですっ！」
ぺこりとお互い会釈を交わす。本当に良い人だよなぁ、この人。
「…あの、お願いがあって…」
おず、と声を上げると、役人さんは満面の笑顔で手前を見た。
「はい、何でもおっしゃってくださァい！」
「食材が、一つもないんです…畑も機能してなくて、資源も多分ないと思います…」
何とかしていただけませんか、と頭を下げる。
「顔をお上げください！もちろんです、食材と資源の輸送ですねェ。手伝い札もお送りしましょうか？」
「え、良いんですか！？ありがとうございます！」
親指を立てながらタブレットでどこかに連絡をとる役人さんに向かって、何度も頭を下げた。すごい良い人だぁ…。
「そんじゃ、頑張ってくださァい！私らも睡眠取らずに頑張りまァアすッ！！ひゃはッ！」
…でもやっぱ、ブラックなんだなぁ…。
キシャシャ、と謎の笑い声を上げる役人さんのご冥福をお祈りしてから、またゲートに足を踏み入れた。
あーやば…お腹空いたぁ…。
まず光と歌仙の手入れして、その後に皆。手入れが終わる頃には光のご飯が食べられるって作戦で行こう…。本丸の玄関前に足をついて、そのまま座り込む。何度か息をついて目眩が取れるまで待ってから、やっとのことで本丸内に入った。
…あれ、なんか騒がしい？
下駄をそーっと脱いで審神者部屋の方に行くと、なぜか人だかりが出来ていた。角に体を隠し、頭だけを覗かせる。
「だから言ったじゃん、捨てられるって…！」
「っ…」
「なんで、顔も見せずに…」
「ぐす、ひぐっ…これなら、とうかいのほうがまだましです…」
…ん？
「そんなに、僕たちが嫌いだったのかぁ…ごめんね、かぐや君…」
「もう意味なんてないじゃん、こんなの…」
…んんん？
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碧 - 面白かったです！御体に無理がないように頑張ってください！ (4月13日 11時) (
レス) id: 75384074dc (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 更新楽しみにまってます。 (3月28日 18時) (レス) @page17 id: 66c9a050dc (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - 面白かったです❗️更新楽しみに待ってます！ (1月4日 23時) (レス) @page7 id: aa210f3daf (このIDを非表示/違反報告)
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