反社(本業)とJK【東リべ】

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クリスマスにはこのワンピースにこのコート、このブーツ。蘭が持ってきたのは、明司がイブの日に着て行けるようにと彼女のために買い揃えた高級ブランド物の品々だ。彼女は父にぞんざいな扱いを受けていたものの、外面だけはいい父親だったので、服や化粧品、美容に関すること全てにお金をかけて育ててもらっていた。痣だって隠れる範囲にしかつけられたことは無いので、足に痣は見当たらない。

そのため多少の高額商品では驚かないわけだが、これがまた桁違いのブランド服を買ってくるものだから流石反社というべきだろう。お断りしようとすれば、父親からなのだから遠慮することは無いとうまく言いくるめられてしまった。

これはめいいっぱいオシャレをしないと、と彼女は張り切って、少し濃いめのメイクをして、髪を軽く巻いてみた。蘭はどこからどう見てもできる男の風格がある。大人の男の彼の隣に立つために、少しだけ背伸びをしたメイクに髪。気合い入れすぎたかなとも思ったが、してしまったもんは仕方ない。昼間はショッピングに行きたい、という蘭の要望もあり、デートは昼から。何気に初デートではなかろうかと考えるだけで胸が踊るようだ。





｢すみません、お待たせしました……｣





リビングで彼女を待っていた蘭は、彼女の姿を見てぽかんと口を開けていた。やっぱり変だっただろうか、と眉を下げた彼女に、全てを察した蘭は｢ちげぇ、違ぇから。｣と急いで訂正した。





｢いや……なんかいつもと雰囲気違うからびっくりした……めっちゃ似合ってる。｣

｢ほ、ほんとですか…！｣

｢うん、まじ。いや、Aちゃんは何しても可愛いけど今日はまじ綺麗どうしよう。｣





思ったことが全て口に出てしまっている。蘭は顔を覆って大きく深呼吸をしたあと、膝を叩いて立ち上がった。





｢よし、行こう。今日は蘭ちゃんがしっかりエスコートしてやるからなぁ〜♡｣





髪をおろしていていつもと違う雰囲気の蘭にドキドキしながらも、｢お願いします、、！｣と彼女は微笑んだ。可愛すぎて他のやつに見せたくね〜と思う反面、俺の彼女世界一可愛いだろうがと見せびらかしたい気持ちもある。それだけ可愛いしそれだけ愛おしい。こんなにドキドキさせられるのなんてきっと彼女以外に居ないのだろう。あとで写真撮って自慢してやろ。主に三途。

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