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「ただいまぁ〜」





珍しく夕方前に帰って来れば、わんわん!と元気な声をあげながらレオが出迎えてくれる。少ししゃがんで、走ってこちらに突っ込んでくるレオを受け止めると、わしゃわしゃと頭を撫でまわす。





「お前ほんと元気な〜」

「蘭さん、おかえりなさい!今日早かったですね!」

「ただいま〜早めに切り上げてきた。」





奥からやってきたAに向けて腕を広げてみせると、少し恥ずかしそうにはにかみながらも、蘭の胸にぽすん、と身を収める。自分よりもずっと小さくて細くて、折ってしまいそうなその体を、優しく包み込むように抱きしめた。





「はーっ、寒かった〜!」

「蘭さん冷たい!」

「外めちゃくちゃさみーの。」

「お部屋暖かいですよ!すぐコーヒーいれるので、手洗ってきてくださいね!」

「はーい。」





帰ってきたら手洗いうがい。今の時期は風邪が流行っているから、とAと約束したことだ。以前の蘭なら、帰ってきてすぐ、スーツに皺がよるのも気にせずそのままソファーに横になっていただろう。

しかし、今となっては、Aがコートとジャケット、そしてマフラーを受け取ってハンガーにかけておいてくれる。あれ、いつ結婚したっけ?と何度錯覚したことだろう。

自室に戻れば、綺麗に頼まれた着替えが用意してある。出来すぎてる。出来すぎてて怖いくらい。ほんとに年下か?と疑いたくもなる。





「あ、シャツとスラックス預かりますね!血とかは着いてないです?」

「今日はスクラップの案件なかったから多分ついてねぇと思うけど……」

「……うん、大丈夫です!」





シャツのあちこちを確認した後、彼女はにこりと笑顔で頷いた。彼女は、シャツやスーツに血が着いていることに対しても嫌な顔一つしないで、一つ一つ丁寧に洗い、スーツはクリーニングに出しておいてくれる。こんなにも家事をしてくれる人間に対して有難みを持ったことがあっただろうかと思うほどに感謝してる。

ソファーに座り、彼女の淹れたコーヒーを飲んでいると、遊んでくれ遊んでくれと、レオがおもちゃのロープをもって足元を行ったり来たりとしている。「仕方ねぇな〜」なんて言いながらそのロープを手に取る。

以前なら絶対にありえなかったこの時間が、今では日常の一部になっている。

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Liezabeth Gillies(プロフ) - 中高生が書くような文章ではなくしっかりとした文才があり安心して作品を楽しめます。ところで、どのような結末になるのでしょうか。着地点はどこに、、? (2021年12月1日 1時) (レス) @page43 id: f20a915395 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白くて一気読みしました!好き!応援してます! (2021年11月10日 19時) (レス) @page22 id: 1f03340a86 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみません、20話の『頭のおかしい練習に囲まれて』は『頭のおかしい連中に囲まれて』の間違いではないですか? (2021年11月8日 3時) (レス) @page20 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
まるきち(プロフ) - 文章力ものすごいのに、ギャグ線強くて好きです♡前編からずっと読んでます!花蛸花さんのペースで頑張ってください💪 (2021年11月7日 12時) (レス) @page21 id: 4a45715550 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - 好き、、なんで、こんな、作品作れるの??え?なんでこんなに、文才あるの?え?神様って不公平だね。てか、神様っているのかな?、、、あ、挨拶が遅れてすみません!結菜です!花蛸花さんの作品好きです!面白すぎて一気見しました!!! (2021年11月4日 18時) (レス) @page18 id: 05b53aed2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月30日 2時

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