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「え、何その腑抜けた顔……きしょ……」
「完全ロリ趣味の顔じゃん。」
「ははっ!おいガキ共、俺がいつまでも甘い顔して見過ごしてやると思うなよ?」
とはいえ、Aの幼馴染というレッテルが貼られている以上手は出せない。しかし竜胆は驚いていた。え、逆に今まで手出さなかったの?殺さねぇの?あの兄貴が?と。それに同じく、すぐ隣にいた三途もぽかんと口を開いたまま固まっている。
人を殺めることに抵抗がないのは反社であるのだからもちろんなわけだが、彼女の友達であっても遠慮なしに殺してしまいそうな男が彼女の幼馴染の彼らを今の今まで生かしているところがもう既におかしい。
「お前ほんとに灰谷兄か?」
「頭の中にヤク詰まってる?♡」
「こいつヤクって言った!!!」
「ヤクやるような仕事ってどんなよ!!!やっぱまともじゃないな!?」
「おい反社!!Aをこっちに渡せ!!!」
「面倒なことにしやがって……」
竜胆がげしげしと兄の背を蹴るも、蘭は「もう別に良くね?」とへらへらと笑っていた。お互い身内に甘い彼らは、Aが好きだと言っている相手を無闇に警察には突き出さないだろう。そんな事をしたところで、あとからどうとでも出来るわけだが。
そこにまた面倒なことに、話を済ませて「あぁ寒い寒い」と言いながらやってきたのが明司と、騒がしい彼らにため息を着く大寿だった。
「何騒いでんだ。」
「大寿くん!!今すぐその反社野郎からAを引き剥がしてください!!!」
そう言われて大寿が目を向けたのは、困ったような顔で蘭のコートに包まるAと、しらーっとしている蘭だった。大寿はもう何度目かも分からぬため息をついて頭を抱えた。
「もう放ったらかしとけこいつらは。言っても無駄だ。心配しなくても売り飛ばされたりなんかしねぇよ。」
「Aの教育上宜しくねぇだろ!?」
「とにかく、灰谷共のことに首を突っ込むな。何されるか分かんねぇぞ。知らぬが仏だ。」
「Aちゃんの友達相手になんもしねぇよ義兄さん。」
「義兄さんって呼ぶんじゃねぇ……!」
眉間の辺りを軽く押し上げながら、大寿はまたため息をついた。この男と話していると頭が痛くなる。
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Liezabeth Gillies(プロフ) - 中高生が書くような文章ではなくしっかりとした文才があり安心して作品を楽しめます。ところで、どのような結末になるのでしょうか。着地点はどこに、、? (2021年12月1日 1時) (レス) @page43 id: f20a915395 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白くて一気読みしました!好き!応援してます! (2021年11月10日 19時) (レス) @page22 id: 1f03340a86 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみません、20話の『頭のおかしい練習に囲まれて』は『頭のおかしい連中に囲まれて』の間違いではないですか? (2021年11月8日 3時) (レス) @page20 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
まるきち(プロフ) - 文章力ものすごいのに、ギャグ線強くて好きです♡前編からずっと読んでます!花蛸花さんのペースで頑張ってください💪 (2021年11月7日 12時) (レス) @page21 id: 4a45715550 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - 好き、、なんで、こんな、作品作れるの??え?なんでこんなに、文才あるの?え?神様って不公平だね。てか、神様っているのかな?、、、あ、挨拶が遅れてすみません!結菜です!花蛸花さんの作品好きです!面白すぎて一気見しました!!! (2021年11月4日 18時) (レス) @page18 id: 05b53aed2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月30日 2時