反社(本業)とJK【東リべ】

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｢なんでお前らまで着いてくんの？｣

｢父として。｣

｢叔父として。｣

｢義兄として。｣

｢竜胆が一番関係ねぇし、お前義弟な？｣





後部座席でぎゅうぎゅうになって座っているいい年こいた男三人に目を向けながら、蘭はため息をついた。そろそろ日付も変わるし、お祈りも終わったと連絡があったので迎えに行こうと事務所から車を出そうとしたら何故か乗り込んできたのだ。

正直、明司は分かる。三途も分からんでもないが、関係ないといえば関係ない。一番意味が分からないのは竜胆だ。まだ結婚もしていないのにもう義兄(義弟)気分だ。本音はきっと、洒落こんだAを見たいとかそのへんだろうな、と蘭はため息をついた。可愛がるのはいいが兄貴の女だということを重々理解しておいてほしいところである。殺されたくなきゃな。





｢帰りはタクシー使えよ。家までは送ってやらねぇからなぁ〜｣

｢ケチくせぇこと言ってんなよ。なんのために俺がこんなジジイ二人に挟まれててめぇの車乗ってると思ってんだ。｣

｢誰がジジイだ。てめぇと歳変わんねぇんだよ。｣

｢3つも違えばジジイだわ。｣

｢あ？｣

｢こんな狭いところで喧嘩すんなよ……｣

｢文句あんなら全員降りろや。｣





無理やり乗ってきたくせに文句しか言わない。狭いのなんて当たり前だ。成人男性、それもそれなりにガタイも良くて背も高い奴らが後部座席に三人並んでいたら狭いに決まっている。さっさと迎えに行ってこいつら捨ててやろ、なんて考えていると、信号待ちをしているバイク2台に目が止まる。そのうちの1台は女とニケツのようで、それに並ぶように蘭が車を止めた。

女を乗せていた方の男がこちらを見ると、ヘルメットの奥で目を見開くのが見えた。夜なのであまりよく見えなかったし、目元だけなので判別はつかないが、ぼんやりと見える褐色の肌にもしかして、と窓を開ける。





｢もしかして大知くんじゃねぇ？｣

｢ウルッせぇなてめぇ気安く名前呼んでんじゃねぇ"ええええ！！！！｣

｢大知うるさい！急に何！？｣

｢あ、やっぱし？じゃあ後ろの女は姫莉ちゃんで、奥は勇作くんかぁ〜お前らバイク乗れんのなぁ〜｣

｢あ、あ、あんたなんでこんなところに……！？｣





がたん、と前のめりになる久井に｢彼女のお迎え行っちゃ悪ぃのかよ♡｣とにまにまと笑いながら言ってやれば、彼らは信号が赤のままだと言うのにバイクを出した。車の通りがなかったから良かったものの、交通法違反である。

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