・14 ページ14
あの後二件ほど店を回って、近くのカフェに入る。テレビでも取り上げられるような有名なお店で、店内の落ち着いた雰囲気と、ゆったりとしたBGMが心を落ち着かせた。おすすめのケーキと紅茶のセットを頼み、そのケーキを二人で半分ずつ食べる。
「このモンブラン美味しいですね…!」
「甘さ控えめで食いやすいわ。こっちのチーズケーキもそんなに甘くねぇし。」
「蘭さんは甘さ控えめな方が好きです?」
「んー、まぁそうね。食えないこともないけど、甘すぎると食いきれねぇわ。」
「じゃあ、今度ビターチョコのザッハトルテにチャレンジします!」
「楽しみすぎる。」
二人はどちらかと言うと味覚が似ている方だ。蘭は甘いものは食べれなくもないが好んで食べようとは思わない。Aは甘いものが好きだがビターなもの、辛いものも難なく食べられる。似ている、と言うよりも、そもそもお互いの相性がいいようで、食事などで困ることはさほどない。
蘭は彼女のザッハトルテに胸を躍らせながら、目の前のチーズケーキをまたひと口食べた。完全に気分がザッハトルテなので物足りない気もする。
「クリスマスだから雑貨屋とかも出てるだろうけど、見に行く?」
「行きたいです!」
「んじゃ、食べたら行こうな〜」
クリスマスの街には出店がずらりと並ぶ。キラキラと輝く雑貨、美味しそうなドリンクに食べ物に目を引かれるものばかりだ。高校生といえどまだ子供の彼女は、きっと喜んでくれるだろう。
喜ぶ顔が見れるだけでとても満足だと感じられはするが、その感情がパパ活中のオヤジみたいでたまに悲しくなる。年齢的にはそう見られてもおかしくないのだ。さほど知られていないにしろ、警察に声をかけられると厄介だ。まぁその時はその時で対処はするが。
「大知と姫莉も今日デートなんですって!」
「へぇ〜勇作くんは?」
「最近彼女ができたんですけど、浪費癖が凄いらしくて…」
「お祓い行ったがいいわ。」
「ブランド物のバッグ強請られた時には倒れるかと思ったって言ってました!」
「高校生に強請る女も女だわな。」
「その時点で別れたらしいです。」
「そりゃそうなるわ。」
彼の家は周りの家に比べて家が裕福らしいが、それにしても高校生にブランド物を強請る女なんて碌でもないな、と蘭は笑った。彼女の友人関係にとやかく言うつもりはないし、彼の女関係なんて心底どうでもいいが、せめてお祓いには行っていただきたい。
2166人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Liezabeth Gillies(プロフ) - 中高生が書くような文章ではなくしっかりとした文才があり安心して作品を楽しめます。ところで、どのような結末になるのでしょうか。着地点はどこに、、? (2021年12月1日 1時) (レス) @page43 id: f20a915395 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白くて一気読みしました!好き!応援してます! (2021年11月10日 19時) (レス) @page22 id: 1f03340a86 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみません、20話の『頭のおかしい練習に囲まれて』は『頭のおかしい連中に囲まれて』の間違いではないですか? (2021年11月8日 3時) (レス) @page20 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
まるきち(プロフ) - 文章力ものすごいのに、ギャグ線強くて好きです♡前編からずっと読んでます!花蛸花さんのペースで頑張ってください💪 (2021年11月7日 12時) (レス) @page21 id: 4a45715550 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - 好き、、なんで、こんな、作品作れるの??え?なんでこんなに、文才あるの?え?神様って不公平だね。てか、神様っているのかな?、、、あ、挨拶が遅れてすみません!結菜です!花蛸花さんの作品好きです!面白すぎて一気見しました!!! (2021年11月4日 18時) (レス) @page18 id: 05b53aed2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月30日 2時